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業界人の《ことば》から 第572回

いずれなくなるはずのプリンター、エプソンはなぜそのヘッドに積極投資するのか

2024年01月08日 08時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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 「自動化」と「人の技能」の両立が、秋田エプソンの特徴ともいえる。

 実際、プリントヘッド生産ラインや時計製造ラインでは、自動化組立ラインを構築し、海外の生産拠点に比べて4.3倍という生産性を実現したり、ここで採用するロボットにおいても、PrecisionCoreプリントチップと固定プレート、基板などを高い精度で組み合わせたり、画像技術を駆使した印字検査を行ったりしている。

 その一方で、秋田エプソン社内では、金型の設計から製造までを行っており、ここでも人の技能を生かしながら、精度が高い金型によって、部品製造の品質を高めている。

 金型、治具、ロボットの組み合わせが、秋田エプソンの強みであり、「人の技能」があるからこそ、高い精度や品質を維持し、生産性や効率化を実現しているといえる。

 平田社長は、「秋田エプソンは、高い技術力を持つ生産拠点として国内の研究開発拠点と密接に連携し、基幹部品の生産を通じて得られた先端の生産技術およびノウハウを、エプソンの海外生産拠点にも展開し、エプソングループの総合的なものづくり力の向上を極める」と語る。

 ロボットによる自動化を積極的に取り入れる一方で、そこに人の技能によるモノづくりのノウハウを注ぎ込むのが、秋田エプソンの手法だといえる。

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