ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第689回
Zen 4アーキテクチャー詳細の続報 3D V-Cacheやメモリー、内蔵GPUなど AMD CPUロードマップ
2022年10月17日 12時00分更新
X670チップセットは
2つのB650を直列でつないだ構造
発売されたRyzen 7000シリーズの最大の難点は価格で、単にCPUだけでなくマザーボードも異様に高価なのがこれに拍車をかけている。特に当初発売されたのはハイエンドのX670Eチップセットのみということで、そもそもX670シリーズと言うだけで高いのに、さらにお値段の張るEモデルということで、「マザーボードが10万円ってどういうこと?」という状況になっている。
いや10万超えのマザーボードそのものはこれまでも多く存在しており、例えば8月の「130万超えPC」のベースである「111万円自腹PC」で利用されたROG MAXIMUS Z690 EXTREME GLACIALは実売26万円近くということを考えれば、安い(?)と言えなくもないのだが。ちなみに筆者はTUF Gaming X670E-Plusを購入したが、これですら5万円弱である。
こうした理由の1つは、X670/X670Eが2チップ構成であることに起因する。
これはどういう構造か? というのが下図である。要するにX670とは、B650を2つ直列につないだ構造と考えれば良い。
この結果として、Upstreamチップセットの方はDownstream側と接続するために、PCIe x4を割り当てる必要がある関係で、外部に出せるPCIe 4.0レーンはx4に減るが、Downstream側はx8なので合計12レーンとなる。
またPCIe 3.0とSATAは自由にポートを割り当て変更可能なので、構成としては以下のようになる(どうもUpstreamとDownstreamで構成を変えるのはNGらしい)。
- PCIe 3.0×8
- PCIe 3.0×6+SATA 3.0×2
- PCIe 3.0×4+SATA 3.0×4
- PCIe 3.0×2+SATA 3.0×6
- SATA 3.0×8
要するに拡張性を確保するためにディジーチェーンでB650を2つつないだのがX670、と考えるのが正しいわけで、そりゃ価格も上がれば消費電力も上がるわな、という感想しか抱けない。
実際のところ、B650で足りないほどの拡張性が必要というケースでなければB650のままで十分であり、価格も消費電力も下がることが期待できると考えると、一般のユーザーにはB650ベースの製品をお勧めしたいところである。
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