「Microsoft Flight Simulator」で
軽くパフォーマンスをチェック
まったくゲームのパフォーマンスチェックがないのもさびしいので、超ヘビー級ゲーム「Microsoft Flight Simulator」で大空の旅を楽しんでみた。
解像度は4K、画質設定は最高となる「ウルトラ」プリセットに設定。アンチエイリアスの設定は「TAA」、APIはDirectX 11を選択し、DLSSは使用していない。フレームレートの計測には、ゲーム内の「ディスカバリーフライト」を利用し、描画負荷の高い「ニューヨーク」と、次いで負荷が高く夕焼けの空を飛べる「リオ・デ・ジャネイロ」、そしてイタリアの「ナポリ」、雲海の上を飛ぶ「エベレスト山」をAI操縦で5分間飛行。その際のフレームレートを「CapFrameX」で記録し、平均(Avg)と1パーセンタイル点(Min1%)をまとめている。
RTX 4090 GameRock OCは、GPU負荷の高い「ニューヨーク」でも、平均フレームレートは60fpsオーバーを記録している。1パーセンタイル点は、60fpsを切っているが、動きの激しいアクションはないので、30fpsを切らなければ問題ない。
街並みの描画などはあるが、高層ビルが建ち並ぶセントラルパーク上空から飛び始める「ニューヨーク」ほど、GPU負荷が高くない「リオ・デ・ジャネイロ」と「ナポリ」では、平均フレームレートは80fps台まで伸び、1パーセンタイル点も60fpsを超えている。さらにほぼ雲の上を飛ぶ「エベレスト山」では平均は100fpsに達している。
「Microsoft Flight Simulator」は、RTX 3080以上のGPUなら、4K解像度、最高画質、平均フレームレート60fpsをターゲットに楽しめるが、最強のRTX 4090を組み合わせて空の旅をより快適にするのも良いだろう。
最も気になるGPUクーラーの実力は?
続いては本命のGPUクーラーの実力チェックに進んでいこう。まずはGPUクーラーファン×3基の駆動音を確かめていこう。
駆動音は、RTX 4090 GameRock OCの側面部から30cm上の位置に騒音計を設置して計測している。CPUの冷却に使っている360mmラジエーター搭載の120mmファン「NF-F12 PWM」×3は最低回転に固定し、GPUクーラーファンの回転数は最低値の30%から10%刻みで計測している。
ファン回転の最低値となる30%は1150rpm前後と高めの回転数になるが、騒音値は36.9dBAと静かになっている。回転はじめもスムーズで、軸音などが気になることなかった。GPUコア温度が60度に達し、ファンレス動作から回転状態に移行する際も、気がつかないレベルだ。
回転数50%、1850rpmで40dBAになり、70%の2550rpm以上では47.6dBAとPCケースに収めても、ファン駆動音が気になると思われるレベルになっている。PCケースファンやCPUクーラーの構成なども影響するが、RTX 4090 GameRock OCのファン回転数は高負荷時に60%以下を維持できれば、 静かと言えるだろう。
消費電力400W超えのRTX 4090を安定して冷却
RTX 4090 GameRock OCを静かに運用するためのファン回転数が見えたので、次はストレステストを実行して、GPU温度やファン回転数、動作クロック、GPU消費電力をチェックしていこう。
ストレステストには「3DMark」の「TimeSpy Extreme Stress Test」を利用し、実行中の各種情報を「HWiNFO64 Pro」で記録した。
まず最も重要となる温度とファン回転数をチェックすると、GPUコア温度の「GPU Temperature」、GDDR6Xメモリーの温度「GPU Memory Junction Temperature」、GPUコア内の最大温度になる「GPU Hot Spot Temperature」、いずれの温度も優秀と言える結果になっている。
ホットスポットでも74.1度に抑えこんでおり、GPUコアに至っては最大66度、約16分間実行されるテスト中の平均温度は64.29度だ。GDDR6Xメモリーもだいたい68~70度で推移と、不安のない温度になっている。強大なヒートシンク&エアフローの最適化などに加え、GPUコアとメモリーの受熱ベースに、高速な熱移動を可能にするベイパーチャンバーの採用といった徹底した冷却強化のあらわれだろう。
この冷却性能を高さは、そのままファン回転数にも出ており、テスト実行中のGPUファンの回転数は、GPU Fan1、GPU Fan2とも駆動音チェックで40dBAを切っていた41%で回転していた。
PCケースに収めても、静かに超ド級のパフォーマンスを引き出すことができると言える。
同じく、「TimeSpy Extreme Stress Test」実行中のGPUコアクロックを確認すると、2805MHzまで安定して伸びていた。より冷やすことで、ブーストクロックはさらに伸びる可能性があるので、ファン回転数を高めてみるのもおもしろそうだ。
最後にテスト中のGPU Powerと、システム全体の消費電力を確認しよう。「GPU Power」は最大で438.89Wを記録していた。この消費電力を、静かに安定して冷却できているのは、なかなかすごい。
続いて、ラトックのWi-Fi接続ワットチェッカー「RS-WFWATTCH1」を使って、システム消費電力を確認すると、テスト実行中は最大で619.185Wを記録した。今回のテストでは電源ユニットに80PLUS Platinum認証取得の1000Wを使っているが、Core i9やRyzen 9とRTX 4090で組む際は、容量1200Wモデルの電源ユニットを選んだ方が安心だろう。
高い冷却性&静音性に+αもある
Palit「GeForce RTX 4090 GameRock OC」
超ド級のパフォーマンスを安定して引き出せる冷却性能と静音性を備えながら、スターライトブラッククリスタルデザインによる魅せる要素の“Midnight Kaleidoscope”を楽しめるPalit「GeForce RTX 4090 GameRock OC(GeForce RTX 4090 GameRock)」は、超ハイエンドで魅せるPCを組みたい人注目の1枚だろう。
GeForce RTX 4090搭載ビデオカードは29万円前後からと購入するには大きな決断が必要になるが、PalitはGeForce RTX 4080 16GB/4080 12GBにもGameRockシリーズを用意している。GPUクーラーの仕様が同じになるかは詳細発表を待つ必要があるが、ブラッククリスタルデザインの採用は決まっているので期待したい。
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