最新パーツ性能チェック 第378回
3DMarkではRadeon RX 6400&GeForce GTX 1650超え
Arc A380搭載グラボを徹底検証!インテルのエントリーゲーマー向けdGPUの現状性能は?
2022年09月18日 09時00分更新
APIが選択できるゲームで追検証してみた
Arc A380はReSizable BARを要求する点から、DirectX 12やVulkanといった「モダンなAPI」にフォーカスを合わせたGPUのように思える。しかし、実際のゲームで検証してみると、MONSTER HUNTER RISEのようにDirectX 12でもいまいち実力が発揮できなかったタイトルもあり、Apex LegendsのようにDirectX 11でも善戦しているものもある。
そこで、ここからはAPIを選択できるゲームを使って検証してみよう。まずはVulkanとDirectX 11で選べる「Rainbow Six Siege」。画質は「中」とし、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。
初手からいきなり面白いサンプルを引いてしまった感がある。VulkanではFPSゲームで求められる十分な水準の性能になったが、DirectX 11ではライバルに3倍近い差をつけて大敗した。この結果はAPIごとの最適化が不十分なことを示唆しているが、単純にArc A380のアーキテクチャーとドライバーの設計が、このゲームのDirectX 11下の処理と噛み合っていない可能性もある。
続いては「Fortnite」で検証する。画質は「中」に設定し、マップ「TILED TOWER BENCHMARK(6797-9028-0857)」におけるフレームレートを「CapFrameX」で記録した。APIはDirectX 12とDirectX 11の2通りだ。
Arc A380のAPIごとの特性を調べるはずが、思いがけずRadeon RX 6400のDirectX 12における著しい性能低下を発見する結果に。つまり、APIによって性能が大きく変わるという現象は、Arc A380のみならず、ほかのGPUでも十分起こり得るということだ。一方、本筋のArc A380も、DirectX 12ではGeForce GTX 1650の9割程度の性能だが、DirectX 11になると大きくフレームレートが下がることがわかった。
やはり現状、Arc A380でAPIを選べるゲームを遊ぶ場合、ちょっと調子が悪いなと思ったら切り替える必要がありそうだ。もちろん、こういった大幅な性能下落は最適化が進むと解消されがちな問題なので、いつのまにかこの傾向が変わる可能性も大いにありうる。
この連載の記事
-
第442回
デジタル
ローエンドビデオカードの選択肢のひとつとなるか!? Radeon RX 6500 XTに8GB版が追加 -
第442回
自作PC
内蔵GPUを削除したRyzen 7 8700FとRyzen 5 8400Fに存在価値はあるのか? -
第441回
自作PC
いまどきのゲーミングPCでマザー側の映像出力に繋ぐのはあり/なし?古の禁忌に踏み込む -
第440回
自作PC
インテルCPUを安全に使える設定?「Intel Baseline Profile」のパフォーマンスを検証【暫定版】 -
第439回
自作PC
暴れ馬すぎる「Core i9-14900KS」、今すぐ使いたい人向けの設定を検証! -
第438回
デジタル
中国向け「Radeon RX 7900 GRE」が突如一般販売開始。その性能はWQHDゲーミングに新たな境地を拓く? -
第437回
自作PC
GeForce RTX 4080 SUPERは高負荷でこそ輝く?最新GeForce&Radeon15モデルとまとめて比較 -
第436回
デジタル
環境によってはGTX 1650に匹敵!?Ryzen 7 8700G&Ryzen 5 8600Gの実力は脅威 -
第435回
デジタル
VRAM 16GB実装でパワーアップできたか?Radeon RX 7600 XT 16GBの実力検証 -
第434回
自作PC
GeForce RTX 4070 Ti SUPERの実力を検証!RTX 4070 Tiと比べてどう変わる? -
第433回
自作PC
GeForce RTX 4070 SUPERの実力は?RTX 4070やRX 7800 XT等とゲームで比較 - この連載の一覧へ