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可視光でCO2をギ酸へ変換、希少金属不要の光触媒=東工大など

2022年09月14日 15時12分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京工業大学と関西学院大学の共同研究グループは、二酸化炭素(CO2)変換のための貴金属・希少金属を含まない新しい固体光触媒を開発。可視光を当てることで、二酸化炭素を還元し、水素の生成・貯蔵に有用なギ酸へと変換することに成功した。性能は世界最高レベルだという。

東京工業大学と関西学院大学の共同研究グループは、二酸化炭素(CO2)変換のための貴金属・希少金属を含まない新しい固体光触媒を開発。可視光を当てることで、二酸化炭素を還元し、水素の生成・貯蔵に有用なギ酸へと変換することに成功した。性能は世界最高レベルだという。 研究チームは、単体で可視光を吸収できる能力を持ちながら、これまで二酸化炭素変換の光触媒としては検討されてこなかった、硫黄と金属イオンの配位結合を構造内に有する配位高分子に注目。鉛を中心金属とする独自の配位高分子「KGF-9」を水熱合成の手法を用いて合成し、可視光を照射したところ、99%以上の高い選択率で二酸化炭素をギ酸へと変換できることを確認した。 光エネルギーを利用して二酸化炭素を有用な化学物質に変換する「人工光合成」の実現に向け、これまでさまざまな固体や分子を用いた光触媒が研究されてきた。しかしその大半は、貴金属や希少金属を用いたもので、資源制約やコストの観点から、普遍元素からなる固体光触媒の開発が求められていた。 研究成果は8月5日、米国化学会の国際雑誌、ACSカタリシス(ACS Catalysis)オンライン版に掲載された

(中條)

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