このページの本文へ

なぜ? 睡眠に真剣に睡眠に取り組むNTT、スマートデバイスの取り扱いも開始

睡眠市場は潜在的に3~5兆円の規模、睡眠障害は日本の生産性低下の要因にも

2022年09月05日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

コンサルティング、オープン化

 また、NTT東日本グループが取り組んでいる睡眠事業の内容についても説明した。

 睡眠に関するコンサルティング事業としては、事業創出や製品開発に伴走。デザイン思考によるアイディエーションからビジネスモデルの検討、睡眠効果検証や市場の反応を調査するフィールドテスト、事業化および製品化などをサポートするという。

 すでに、第一生命が取り組んでいる睡眠事業の「Sleeperience」の事業化を、フィールドテストなどを通じてサポート。エステーの睡眠製品の創出においては、トドマツ成分の睡眠効果の検証を実施するといった実績などがある。

 さらに、睡眠データプラットフォーム事業では、アプリケーション開発者やシステム開発者を対象に、睡眠測定機能を簡単に追加できるように、、ブレインスリープコインや睡眠偏差値に関するAPIやSDKの提供を開始することを新たに発表した。食事、健康、運動などに関するアプリに対して、睡眠の機能を加えることができ、トータルヘルスケアの実現に貢献できるとしている。

日本人の睡眠は世界ワースト1位、でも何もしていない?

 NTT東日本 ビジネスイノベーション本部ソリューションアーキテクト部の佐々木翠氏は「OECDの調査によると、日本人の睡眠時間は、7時間22分となり、世界ワースト1位の短さとなっている。また、睡眠に関する悩みを抱える人が多いものの、睡眠改善を行っている人は少なく、約4割の人がなにもしていない」と指摘。

 「だが、睡眠時間が短くても、睡眠の質が高ければ、生産性が非常に高まるという調査結果がある。よい照明やよい空気の環境ではよく眠ることができたり、いい食事をとれば睡眠の質が高まり、その結果、生産性を高めたり、美容にもつなげることができる。睡眠市場はまだ未成熟である。NTT東日本グループでは、睡眠関連製品やサービスの開発を促進し、企業の健康経営促進の循環を促し、よい睡眠のための手段を異業種との連携によって、睡眠事業を通じて提供する価値を高めたい」と語る。

 日本における睡眠関連の既存市場は1兆2000億円規模であり、潜在市場は3〜5兆円にのぼると試算されている。その一方で、睡眠障害や睡眠不足によって、様々なリスクが生じており、それによってもたらされる損失コストも大きいという。

 NTT東日本の佐々木氏は、「睡眠は、個人の問題から、社会の問題へと変化しており、企業や自治体が関与することで、社会全体の健康状態を高めることができる。まだわからないことが多い睡眠の状態をテクノロジーによって明確にしたいと考えている。また、地域に密着したNTT東日本の強みも生かすことができる事業領域である」とする。

 NTT 東日本グループでは、異業種や地域との連携により、睡眠市場全体を拡大できると考えており、既存サービスを提供する事業者だけでなく、様々な事業者の睡眠市場への参入を支援することにより、サービスの多様化を推進していく姿勢をみせている。

■関連サイト

●キャプション

NTT東日本 ビジネスイノベーション本部ソリューションアーキテクト部の佐々木翠氏

NTT DXパートナー プラットフォームビジネス部の中村元氏

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ