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NEC、人工衛星データで橋の損傷を検知する新技術

2022年07月08日 06時51分更新

文● MIT Technology Review Japan

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NECは、衛星合成開口レーダー(SAR)とAIを組み合わせて、橋の崩落につながる重大損傷を発見する技術を開発した。日本には現在、72万の橋があり、5年に一度の点検が義務づけられている。しかし、担当する専門人材が不足しており、点検の効率向上、あるいは代替となる新技術が必要だ。

NECは、衛星合成開口レーダー(SAR)とAIを組み合わせて、橋の崩落につながる重大損傷を発見する技術を開発した。日本には現在、72万の橋があり、5年に一度の点検が義務づけられている。しかし、担当する専門人材が不足しており、点検の効率向上、あるいは代替となる新技術が必要だ。 新技術では、SARで得た橋の変位データと、橋の構造や気温の変化を独自のAIモデルに学習させることで、橋の変位予測モデルを作成する。このモデルを使用して、点検期間に得られる変位データを分析することで、重大事故につながる異常なたわみを発見できるというもの。衛星からのセンシングとAI技術を組み合わせることで、目視では気づきにくい異常なたわみを検知できるという。同時に複数の橋を点検対象とできるため、点検効率が向上する利点もある。 NECは2021年10月3日に崩落した和歌山県紀の川の「六十谷水管橋」の崩落前2年間のSAR画像を分析したところ、崩落した部分が崩落の1年前から他の部分と比較して1.5倍程度変位していたことが分かった。

(笹田)

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