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脳のバーチャル切除で言語機能の低下を予測=横浜市立大など

2022年03月28日 07時28分更新

文● MIT Technology Review Japan

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横浜市立大学と米ウェイン州立大学の研究グループは、薬剤抵抗性てんかん患者の脳外科手術後に生じる言語機能の低下を予測する人工知能(AI)モデルを開発した。脳外科手術の術前評価では、運動・感覚機能についてはMRIや電気刺激法で評価する方法があるが、言語のような高次脳機能は個人差が大きく、正確に評価する方法は確立されていない。

横浜市立大学と米ウェイン州立大学の研究グループは、薬剤抵抗性てんかん患者の脳外科手術後に生じる言語機能の低下を予測する人工知能(AI)モデルを開発した。脳外科手術の術前評価では、運動・感覚機能についてはMRIや電気刺激法で評価する方法があるが、言語のような高次脳機能は個人差が大きく、正確に評価する方法は確立されていない。 研究チームは、薬剤抵抗性てんかん患者の術後⾔語機能の変化を、会話中の脳表脳波信号を解析することで予測できるか検証した。脳切除手術を受けた患者の会話中に記録した脳表脳波信号を機械学習で訓練し、予測モデルを構築。指定した脳領域を仮想的に切除(試し切り)して、言語機能を保てるかを高い精度で事前に予測することに成功したという。 研究グループは、今回の研究で確立した解析技術を発展させ、より安全で信頼性の高い診断、治療方法を確立すべく研究を進めるとしている。研究成果は3月21日、「ブレイン(BRAIN)」誌にオンライン掲載された。

(笹田)

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