この20年間で進んだ業態変更の中で
コニカミノルタは、2003年にコニカとミノルタの経営統合を発表。2006年には、祖業である写真、フィルム事業から撤退した。そして、2008年のリーマンショックにより、「一度紙出力から離れたお客様は、もとには戻らないとの覚悟を持ち」(山名社長兼CEO)、ITサービスや周辺領域の事業の拡大、強化に取り組んできた。さらに、2020年の新型コロナウイルスの影響により、人々の価値観や行動が大きく変容。「個別・分散・リモート」において、コニカミルノタの強みを生かす経営へとシフト。体質転換を図っているところだ。
具体的には、2025年度までに、「オフィスからデジタルワークプレイス事業への転換」、「画像IoTを軸とした計測、検査、診断事業の拡大」という2つのポートフォリオ転換の完遂に取り組む姿勢をみせ、「これを同時に完遂することが必須である」(山名社長兼CEO)とする。
コニカミノルタは、依然として厳しい経営環境のなかにあり、大きな転換期にあるのは確かだ。新体制によって、どんな成長戦略を描くのか。中期経営計画の内容にも注目したい。
この連載の記事
-
第594回
ビジネス
自動車工業会は、今年もJapan Mobility Showを開催、前身は東京モーターショー -
第593回
ビジネス
赤字が続くJDI、頼みの綱は次世代有機EL「eLEAP」、ついに量産へ -
第592回
ビジネス
まずは現場を知ること、人事部門出身の社長が続くダイキン -
第591回
ビジネス
シャープが堺のディスプレーパネル生産を停止、2期連続の赤字受け -
第590回
ビジネス
生成AIに3000億円投資の日立、成長機会なのか? -
第589回
ビジネス
三菱電機が標ぼうする「サステナビリティ経営」、トレードオフからトレードオンへ -
第588回
ビジネス
富士通の子会社でDX専門のコンサルティングをするRidgelinez -
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? - この連載の一覧へ