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石川温のPCスマホニュース解説 第128回

月額1100円で動画以外使い放題 ドコモとトーンモバイルのねらいは子どもをもつ親

2021年12月20日 09時00分更新

文● 石川温

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双方にメリットがある取り組み

 フリービットとすればNTTドコモと組めるというのは大きなメリットだ。

 フリービットは参入当初、直営店とオンラインのみの取り扱いであったが、CCCと業務提携したことでTSUTAYAでの取り扱いが始まった。しかし提携が終わって取扱店舗が減っていく中、今度は「カメラのキタムラ」での取り扱いが始まった。しかし、それでも2021年11月時点では全国で112店舗でしか扱われていない。

 これがNTTドコモと組むことで、全国のドコモショップを含めて2422店舗での取り扱いに拡大するのだ。

 宣伝においても、テレビCMが流れるなど、一気に認知度を上げられる可能性が見えてきた。
 
 一方のNTTドコモにとっても、フリービットを扱う利点が存在する。

 フリービットは持ち前の技術力により、トーンモバイルにおいて子どもを守る機能が充実させてきた。子どもの位置情報がわかったり、ネットのフィルタリング機能、子どもが裸を自撮りした際に通知する機能、LINEを使わず、家族でコミュニケーションをとれるチャット機能などで差別化してきた。

 NTTドコモも子ども向け機能をそろえているが、ここまで手厚い展開はできていない。

 子どもユーザーを新規獲得する上で、契約を決める親を安心させる材料があり、他社との顧客獲得競争を有利に進められることだろう。

 単に「通信料金が安い」というMVNOだと、NTTドコモに近い「OCN モバイル ONE」との差別化は難しく、「エコノミーMVNO」に参加するメリットが薄い。

 しかし、トーンモバイルは「通信料金が安い」という料金面だけで勝負はしておらず、NTTドコモの商材だけでなく、OCN モバイル ONEとの棲み分けもできて、NTTドコモとフリービット、双方にメリットがあるといえるだろう。

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