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BALMUDA The Brew試用レポ:

バルミューダのコーヒーメーカーは「自分へのご褒美」の完成形

2021年10月07日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita) 編集● ASCII.jp

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バルミューダらしいスタイルと演出

 バルミューダといえばこじゃれたスタイルと演出ですが、BALMUDA The Brewはまさに真骨頂と言うべきものでした。

 本体は横幅約14cmのコンパクトサイズで圧迫感がないフォルム。本体ボディはバルミューダでおなじみのマットブラックで、つやのあるステンレスパーツが色味を引き立てます。コーヒーサーバーは顔が写るほどつやつやしたステンレスボディ。全体に高級というよりこじゃれた印象です。

 なお設計時は本体正面に「BALMUDA」ロゴが入っていましたが、トースターなどで既に正面にロゴを入れているからと、ロゴは本体上部の注湯部分に移動。正面からは一切の文字が目に入らないようになっています。

 代わりに、情報にあたるボタン類はすべて本体上部、注湯ノズルの奥にまとめられています。ボタンの脇には電気ケトル「BALMUDA The Pot」にもついていたオレンジ色のランプが搭載され、起動とともに光るようになっています。操作そのものは、ドリッパーにコーヒー粉を入れ、抽出モードと抽出杯数を選ぶだけなので、むずかしいことはありません。

 コーヒーサーバーの内側は真空二重構造です。「熱を加え続けるとコーヒーの風味が飛んでしまうから」ということで保温機能を省いて、いわゆる魔法瓶構造を採用しています。ただしコーヒーサーバーには内フタがあるわけではなく、完全にフタが閉まるわけでもないため、ほどよくあたたかい60〜70℃を保てるのは抽出完了後1時間ほどまででした。

 円すい型ドリッパーは樹脂素材と金属素材のツートン。底部には抽出前後にお湯がたれないようにするストッパーがあり、コマのような形になっていて自立しません。コーヒー粉を入れるときや、ちょっと置いておきたいときには付属のスタンドかコーヒーカップにのせる必要があります。

 バルミューダではコーヒーを淹れるところを見せるため、あえて本体上部のフタをなくし、ドリッパーを見えるようにしています。あわせて、本体に内蔵されたスピーカーがいろんな音でコーヒータイムを演出します。

 電源を入れると「ポンポーン」、抽出モードと抽出杯数を選ぶと「ポッ」「パッ」、抽出を開始すると「ピロンパーン」、抽出中には古時計の振り子をイメージしたという「カッコ、カッコ」。そしてできあがったときにはふたたび「テロポンポーン」というメロディが流れ、コーヒーを淹れているときはずっと何かの音が鳴っています。

 コーヒーサーバーをあたためるとき、残ったお湯を蒸発させるときなどは「ブシャーッ」と派手に蒸気の音も鳴ります。メロディも蒸気の音も割とでかいので最初は「なんだなんだ」と驚きます。使い続けるうちに慣れましたが、最初は音量調節ダイヤルが欲しくなりました。バルミューダの言う「まるでプロが目の前でコーヒーを淹れてくれるようなライブ感」には、大きな音による演出も含まれているのかもしれません。

 これは何かに似ているなと思ったんですが、サービスエリアにある「ミル挽き珈琲自動販売機」ですね。音楽を流しながらその場でコーヒーを淹れてくれるやつ。高速に乗ったとき、あのコーヒールンバが聴けないと寂しい気持ちになるんですが、バルミューダに試用機を返却してハンドドリップをしているときにも似たような気持ちになりました。バルミューダ版コーヒールンバです。

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