文字入力操作環境リフレッシュの意義はアリ
中央部が少々出っ張るという残念な点も
ILSはモバイルPCのユーザーが、ある時はILSのお世話にならずにフラットな状態で使用し、時には積極的にディスプレーの高さを変えることや、キーボードの傾きを変えることで、文字入力の操作環境を変えてリフレッシュすることに意義はありそうだ。
ただし、ILSの場合はほぼ中央部分に位置する2個のマグネットの厚みのために、フラットな吸着位置にしても、その部分の厚みがモバイルPC底面の4つのゴム足より高さがあったりすると、フラット位置でも底面中央部が出っ張り、モバイルPCがぐらぐらと安定しないことがある。本家のMOFTはその辺りが改善されていればよいのだが。
国内クラウドファンディングであるMakuakeのMOFTと、今回衝動買いしたINVISIBLE LAPTOP STANDとを比較してみたかったのだが、2ヵ月先の7月出荷まで待てず、今回の衝動買いアイテムにILSを選んでしまった。ずっと先に出荷される先物買いであるクラウドファンディングと“衝動買い”はなかなか相性が悪いものだ。2つの製品に機能的な差異はあまりなさそうなので、この2ヵ月の間も衝動買いの意欲は鈍りそうだ。
Makuakeで、今まさにバッカーを募集中で7月に出荷を予定されている「MOFT」だが、一番最初にお目見えしたのは今年1月初旬にラスベガスで開催されたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)だった。そしてその日に、米国のクラウドファンディングの老舗であるKickstarterでバッカーを募集し、すでに4月に出荷を終えたらしい。
続いてバッカーを募集開始したのは同じく米国のクラウドファンディングのIndiegogo、そしてどうも3番目が国内のMakuakeのようだ。あくまで想像の域を出ないが、筆者の衝動買いしたINVISIBLE LAPTOP STANDは、年初のCESでMOFTを見た企業がよく似た商品を早々に作り上げてしまい、国内の販売会社が2ヵ月も早く秋葉原で売り出したのだろう。これからは追いかけっこバトルも増えそうだ。
クラウドファンディングという仕組みが最初に登場したころの“世界中の不特定多数の人から資金調達して今までに無い新しいモノを創造する”世界から、“料金先払いのキャンセル不可ネット通信販売”に変貌してきている雰囲気だ。
今後は資金調達という名の前売りのために、ネットをフル活用して魅力的な情報開示をするクラウドファンディング業者と、その詳細情報を精査分析して、本家より先に商品を市場に出してしまう狡猾な“そっくりさん製造業”のバトルはますます加速しそうだ。いずれにせよ、またしても“品質”と“機能の差別化”、そして“スピード”の時代の再来だ。
今回の衝動買い
アイテム:「INVISIBLE LAPTOP STAND」
・購入:あきばお~
・価格:1500円(税込)
T教授
日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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