世界最先端のテクノロジー情報をお届けするグローバルメディア「MITテクノロジーレビュー」から、ビジネスに役立つ注目のテック企業の最新動向、イノベーションにつながる最新の研究内容をピックアップして紹介します。
人間の脳内に光通信チャネルが存在する可能性
生物の脳の内部で光子が生み出されているという研究成果が報告されている。脳内で光子が生み出されているということは、それを使って情報が伝達されている可能性があることを示唆している。
実は脳の内部に光ファイバーのようなものがあり、それを使って脳内で情報を伝達しているのではないか? という興味深い研究をカナダのカルガリー大学の研究者が発表しました。記事では「乱暴な推察」としながらも、「わくわくするもの」「基礎研究として探求する価値はある」と伝えています。
アイフォーン誕生から10年 ワンモアシングでも 発表されなかったこと
おなじみの「One more thing」のフレーズとともに発表された新型アイフォーン「アイフォーンX(iPhone X)」には、顔認識やワイヤレス充電など、これまでのアップル製品にはないテクノロジーが搭載されている。だが、10年を迎えたアイフォーンの発表としては物足りない。
10周年を節目に、まったく新しい革新的なiPhoneが出るのか? と期待されたアップルの新製品発表会。結果は、「多くの企業は未来を売っている。アップルは消費者が求めている、ちゃんと機能する製品を売る」とのティム・クックCEOの過去の発言どおりとなったといえるかもしれません。記事では、長年アップルを取材してきた記者が、10年前のiPhoneのリリースがもたらした変化を振り返りながら、今回の発表内容をやや辛口で総括しています。
老朽インフラに希望、ひび割れを修復する魔法のマッシュルーム
社会を支えるコンクリート製のインフラは劣化が進み、ゆっくりと崩壊しつつある。ラトガース大学の研究チームは、コンクリート上でも育つある種のマッシュルームが炭酸カルシウムの生成を促し、道路や橋の修理に役立つ可能性があることを見い出した。
日本でも高度経済成長期に一気に整備された高速道路や橋、地下鉄など、社会インフラの老朽化が問題になっていますが、意外な解決策となるかもしれません。まだまだ研究は始まったばかりですが、実現すれば多くの先進国が抱える社会問題の解決へ向けたブレイクスルーとなりそうです。
米国でがんの遺伝子療法が初認可、治療費は47万5000ドル
ノバルティスが開発した急性リンパ性白血病向けの遺伝子療法「キムリア」が、米国で初めて遺伝子療法として認可された。1回の治療費は47万5000ドルだが、1カ月以内に治療の効果が現れなければ治療費を請求しないという。
遺伝子療法をめぐる動きはここのところ活発化していますが、米国で急性リンパ性白血病向けの遺伝子療法が認可されたというニュースです。患者自身の免疫細胞を取り出して遺伝子改変したのちに体内に戻す、いわゆる個別治療となるため、治療費は非常に高額ですが、83%の患者が3カ月以内に緩解状態となったとのこと。今後の普及が期待されます。
最新研究で判明、超音波で「スマホ乗っ取り」の恐れ
音声による制御機能を備えた機器は基本的に、不特定多数の人の音声による命令を実行する。中国の研究チームは、超音波を用いることで、人間の耳には聞こえない命令でスマホを操作できることを実験で確認した。
日本ではまだあまり普及しているとはいえませんが、米国ではAmazonのEchoやGoogleアシスタントなど、音声アシスタント(AIアシスタント)が爆発的な人気。そうした中で懸念されているのが、「音声認識をハックできるのではないか?」という問題。中国の研究チームは、実際に超音波を使ってSiriにFaceTimeをかけさせたり、アウディのカーナビを操作することに成功したそうです。記事では対策方法についても言及されていますが、すでに普及した機器でどう対応するかは課題となりそうです。
会議室のホワイトボードを未来化する無料Webサービス
ビデオ会議で見づらいホワイトボードを使って議論するのはストレスだ。ホワイトボードをもっと見やすく共有できれば、会議の生産性ははるかに向上するはずだ。
リモートワークを推進する企業は日本でも増えていますが、課題の1つとなるのが、会議をどう進めるか問題。従来のビデオ会議だと、Webカメラで顔を写して、パワポの資料を共有して…という方法が多いと思いますが、オフィスでの会議のようにホワイトボードでラフにディスカッションするのは難しい。そこで、ホワイトボードをハードウェア投資なしで進化させるサービスが紹介されています。
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