カメラシェアリングも始まる
新型Eクラスステーションワゴンの発表会場にもなった東京・六本木の「メルセデス・ベンツ コネクション(東京)」に併設されているブランド体験スペース「メルセデス・ベンツ コネクション ネクストドア」では、パナソニックが展開するカメラシェアリングシステム「PaN」の実証実験が、2016年12月25日まで開催されている。
メルセデス・ベンツ コネクション ネクストドアが開催している期間限定の特別イベントの第3弾として現在「メルセデス・ベンツ コネクション ネクストドア スターガーデン」を開催。その中核コンテンツとして、世界最大となる生木と、1万5000個のLEDで装飾された直径10メートルのベンツマークのリースを設置。リースの中央に立つと、自分が写った写真が撮れるサービスをPaNで提供するというものだ。
PaNは、パナソニックとNTTコミュニケーションズが共同開発したカメラをシェアリングするサービスで、公共施設や観光施設、エンターテインメント施設、イベント会場などに設置されたカメラを使って、来場者が記念写真を撮影。専用のIDカードを使って、クラウド経由で写真データを入手できるサービス。利用者は撮影する際に費用を負担する仕組みとしており、「家族旅行でも撮影役を務めるお父さんが写っていないということがなく、さらに、同じIDカードであちこちの観光地で撮影した写真を管理することができる」(パナソニック)という。
これまでにもCEATEC JAPAN 2016のパナソニックブースや、京都最古の禅寺である建仁寺、札幌のさっぽろ雪まつりでも実証実験が行なわれたことはあったが、都内での実証実験はこれが初めてであり、約1ヵ月半という期間もこれまでで最長となる。
リース前方向にLUMIX GH4を設置。さらに9メートルの高さからにもLUMIX GH4を設置しており、一度に2枚撮影する。
ちなみにPaNの名称は「PHOTO AND NETWORK」の略で、パナソニックの「撮影技術」とNTTコミュニケーションズの「通信クラウド技術」の融合によってサービスが提供されていることを示している。
パナソニックでは今後、実証実験を経て数多くの場所にPaNを無償で設置し、写真を撮影した人から収益を得るビジネスモデルへと発展させる考えだ。
そして、クルマをシェアする「カーシェアリング」に対して、カメラをシェアする「カメラシェアリング」という言葉の浸透も図るという。
メルセデス・ベンツとパナソニックの連携によって、カメラシェアリングと呼ぶ新たなサービスの模索が始まっている。
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