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世界遺産のプラハ城、その照明を支えるのは日本企業だった

2015年09月25日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII.jp

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世界最大の古城といわれるプラハ城には、パナソニックのLED が1万個使用されている

 欧州市場でもうひとつ見逃せない取り組みが、世界遺産であるチェコ共和国・プラハ城におけるLED寄贈プロジェクトだ。日本においても、京都府の清水寺、岐阜県の白川郷、広島県の厳島神社といった世界遺産にLEDを寄贈しているが、プラハ城では、2013年6月に、プラハ城の白熱電球約1万個をLED電球に交換。プラハ城の厳かな雰囲気を保つために、白熱電球同様のあたたかみを感じるあかりを、LED電球で表現。「ノスタルジック・クリア」と名付けられた新しいLED電球は、日本のLED製品よりも色温度を低く設定し、白熱電灯や蛍光灯の白色とは異なる、赤みがかったやわらかな色合いを作り出すことに成功したという。

パナソニック コンシューマーマーケティングヨーロッパ ライティンググループ 担当部長の笠嶋伸吾氏

 パナソニック コンシューマーマーケティングヨーロッパ ライティンググループ 担当部長の笠嶋伸吾氏は、「プラハ城では、白熱電球を使用していた際には、いつも20%程度電球が切れていたこと、交換するには、高い場所ではハシゴ車を利用しなくてはならなかった。こうした課題が解決できたのに加えて、80%の省エネ効果があった」と語る。

「ノスタルジック・クリア」と名付けられた新しいLED電球を導入。ローソク型のものも開発した

 プラハ城の成果は、欧州市場において、パナソニックのライティング事業の強みを証明する取り組みのひとつと位置づけられているというわけだ。 現在、ライティング事業は、パナソニックにおける重点改善事業のひとつに位置づけられている。売上高が3,000億円以上の大規模な事業部であるにも関わらず、営業利益率が5%未満という6つの事業のひとつであり、早期の営業利益率5%到達が目標とされている。

 利益改善の鍵は、海外事業の成長とともに、海外で戦略的に展開するLED&ソリューションの促進ということになりそうだ。

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