今回はいつものロードマップをお休みして番外編となる。先週筆者は諸般の事情でロンドンに滞在していた。主にロンドンのScience Museumにいたのだが、ここの2階に“Information Age”と呼ばれるエリアがあり、木の棒を叩いて通信していた時代から電信・電話を経てコンピューター世代までの200年以上の歴史がまとめて展示されていた。
このInformation Ageの中に、いろいろおもしろい展示があったので、今回はそれを写真でご紹介したい。
CDC 6600
連載273回で解説したCDC 6600の実機が展示されていた。高さそのものはオフィスのパーティションくらいで、ただしPhoto01の写真でもわかる通り厚みはそれなり。
上から見ると4つのキャビネットを十文字型にユニットを組み合わせている模様だが、展示されていたのは2キャビネットのみ。木目調のコンソール(Photo05)がいい味を出している。CRTは2つの丸型ブラウン管を横に並べた形なのもわかる。
BESM-6
1960年当時の西側諸国のハイエンドがCDC 6600だとすれば、東側諸国のハイエンドがこのBESM-6だ。
BESMはBESM-1~BESM-6があり(ただしBESM-5だけは聞いたことがないので、スキップしたのかもしれない)、BESM-6は全体で1MFLOPS程度を出す、当時としてはハイエンドのスーパーコンピューターであった。
モスクワ大学のスーターコンピューテイング・センターのヒストリーページを見ると、当時の状況が説明されている。
それにしても、操作パネルを見ると、コンピューターというよりはなにか工場の制御装置という感じもする(特にPhoto11)。コンソールの上のガラス張りのラックの中のモジュールは動作状態に応じて細かく点灯するようで、Photo12でみるとモジュールあたり8つのランプが装着されているのがわかる。
Photo13~15は、BEMS-6の側面を撮影したが、Photo13が上部で、モジュール用の配線が4段分用意されているPhoto14が真ん中あたりで、モジュールへの電源供給配線だろうか? Photo15が最下部で、こちらは明らかに電源配線(それも結構高圧っぽい)である。
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