ここ1年、Oculus Riftなどで注目を集めるVRヘッドマウントディスプレー。これまではゲームエンジンのUnityを使った3DCGコンテンツが中心となっていたため、プログラムの知識を必要とするものがほとんどで、実写映像を使ったコンテンツはごく少数だった。
そのうえ、全天球で動画撮影ができる機材はプロ用途のみで、初期投資金額が100万円近くかかるため、実写映像のコンテンツは非常に敷居が高かった。
昨年の11月に全天球動画が撮影可能なリコーのデジタルカメラ「THETA m15」が発売をされたのを皮切りに、全天球動画撮影用のカメラやシステムの発売が相次いだこともあり、だれでもVR用の全天球動画の撮影ができるようになった。
そこで、これから続々と登場してくることが予想されるVR用の全天球動画を作る方法を全3回にわたり解説していこう。第1回の今回は、実写映像を撮影するための機材集めだ。
安価でお手軽な全天球カメラ
リコー「THETA m15」
全天球動画を作る上で必須となるのが、撮影用のカメラ。先にあげた、リコーの「THETA m15」は、1台だけで全天球動画動画が撮影できる画期的なカメラだ。
最大撮影時間は3分までとなっているため、長時間の動画を撮影できないという欠点はあるが、実売価格が3万5000円前後というのは、非常にリーズナブルで全天球動画初心者には持ってこいのカメラといえる。
また、カメラ本体に加えて、スマートフォンからもリモートで撮影できるので、三脚を使って撮影者が見切れるのを防いだり、一脚で高所から撮影する際にスマホから撮影開始の操作ができるものうれしい。
とはいえ、Oculus社が販売する開発者向けキットのVRヘッドマウントディスプレー「Oculus Rift DK2」やサムスンの「Giar VR」では、「THETA m15」で撮影する1920×1080ドットのフルHD映像は若干映像の粗さを感じるので、あくまでも手軽に楽しみたいユーザー向けとなる。
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