業界人の《ことば》から 第102回
Windowsが動くSteam PCで、Chromebookを倒す
MSのシェアはPCでは9割、しかし全デバイスではたった14%
2014年07月23日 10時51分更新
マイクロソフトは挑戦者であるべきだ
マイクロソフトは、今年2月に、サティア・ナデラ氏がCEOに就任して以降、「挑戦者」ともいえる取り組みを相次ぎ発表している。
9型以下のデバイスに対してWindowsを無償で提供したり、OfficeをiPadで利用できるようにしたほか、オラクル、SAP、セールスフォース・ドットコムなどの競合ベンダーとの提携を相次ぎ発表。かつてのマイクロソフトにはみられなかった新たな施策が相次いでいる。
とくに、9型以下のデバイスへのWindows無償提供や、OfficeをiPad向けに無償で提供するという施策は、「創業者であるビル・ゲイツや、創業初期から名を連ねたスティーブ・バルマーという歴代のCEOでは決断できなかったのではないか」(日本マイクロソフト・樋口泰行社長)と、ナデラ氏ならではの決断であることを示唆する声もある。創業メンバーらにとっては、自ら開発した製品は子供のようなもの。それを対価を取らずに無償で提供するというのはあり得ないというわけだ。
だが、前者の施策は、9型以下が中心となるタブレット市場においてアップル、Androidといった競合陣営が先行しており、その対抗軸としての取り組みであること、後者は、競合陣営のタブレットの広がりを考えれば、そこでOfficeを利用してもらい、必要に応じて有償化してもらうことでビジネスチャンスを広げるという狙いがある。いずれも、合理的な判断だといえる。
「これまではWindows,Windows,Windowsという施策であったが、もはやその考えはマイクロソフトにはない」と樋口社長は語る。
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