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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第70回

発表ラッシュの5型スマホ、”ファブレット”は定着する?

2013年01月23日 18時30分更新

文● 末岡洋子

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ファブレットカテゴリは定着するのか?

 実は昨年の12月末にDELLのイベントを取材する機会があったのだが、DELLの幹部と雑談中に話がスマートフォンになった。DELLはこのイベントでスマートフォン撤退をあらためて表明したのだが、「時期が早すぎた」とこの幹部は語る。

 DELLは2010年に「DELL Streak」シリーズで5型のAndroidスマートフォンを投入したのだが(関連記事)、当時は大ヒットに至らなかった。そしてそれは、SamsungがGALAXY Noteを発表するたった1年前の話なのだ。

ヒット商品にはならなかったが、一部ユーザーの間には評価が高かった「DELL Streak」

 もちろん、DELLがSamsungのGALAXY Noteと同じ2011年にStreakを発表していたからといって成功したかどうかはわからないのだが……。そして、「スマートフォンビジネスはとても複雑で、とても難しい」というのがPCメーカーであるDELL幹部のコメントだった。

 そんなことからも、ファブレットの動向予想については、今年はともかく、2年後、3年後となると予想が難しいように見える。関連して、最近の調査レポートで見解が分かれていたのがPCだ。GartnerはタブレットがPCの買い替え需要を食いはじめたという見解を示しているが、Deloitteはコンテンツの(閲覧に対する)作成としてはファブレット・タブレットは役不足とし、PCは今後もメインで利用されると見ているようだ。

 高速モバイル通信がどこでも可能になり、さまざまな端末をユーザーが利用する時代に向かっているが、まだその先は決まっていないということだろう。CESで登場したウェアラブルコンピュータや、発表された自動車の取り組みなどのニュースを見ながら、そう思った。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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