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業界人の《ことば》から 第21回

シマンテック・河村浩明社長:

BYODをやりたいと思っている企業は5%以下

2012年12月25日 09時00分更新

文● 大河原克行

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今回のことば

「人を守るという点では必ず認証が必要になる。この分野はシマンテックが弱かった分野。最大手であるベリサインの買収によって、この課題を解決できる。今後は、当社が投入するセキュリティーソリューションのほとんどに、認証技術が入っていくことになる」

(シマンテック・河村浩明社長)

急拡大するモバイルマルウェア

 シマンテックは、2012年のインターネットセキュリティー脅威の動向についてまとめた。これによると、2012年は、「標的型攻撃(破壊型とスパイ型)」、「モバイルマルウェア」、「遠隔操作マルウェア」、「オンラインバンキング」、「マックへの脅威」の5つが、セキュリティーを取り巻く大きな動きとなって表面化したとする。

 そのなかでも、急激な勢いで増加しているのが、モバイルマルウェアだ。

 2012年12月18日時点で、Android OSをターゲットとしたマルウェアは、218種類に達しており、前年に比べて3倍以上に増加しているという。また、亜種の数も急増しており、2011年末に比べると、8倍以上にも増加しているという。

増加するAndroid OSを標的とするマルウェア

 日本語のモバイルマルウェアも登場しており、金銭搾取を目的としたワンクリック詐欺型のものから、Google Playを通じて情報搾取目的で配布するアプリケーション型、メールを通じて不正アプリを配布するメール型が、それぞれ日本語で登場している。

登場した日本語のモバイルマルウェア

 「2011年12月時点では、Androidマルウェアの32%がGoogle Playで公開されていたが、2012年10月時点ではこれが6%にまで減少している。しかし、2012年7月以降には、メールを通じて、便利なアプリケーションのダウンロードを装うような形で悪質なリンクを配布し、このアプリを実行するタイミングで情報を搾取するといったものが増えている」と、シマンテックのセキュリティーレスポンス シニアマネージャーの浜田譲治氏は語る。

 ロシアでは、ファイルがダウンロードされるたびに自らファイルを作成し、シグネチャーベースのセキュリティー検出をすり抜けるようなものが登場したり、認証を傍受することで、オンライン銀行などの情報を盗み、不正に送金する二要素認証対応型が登場するなど、モバイルウェアの高度化、高機能化も見逃せない動きだという。

 そして、「モバイルマルウェアは今後も増えていくことは間違いがない」と、浜田シニアマネージャーは予測する。

2013年はさらに勢いを増すと予測

 実際、2013年の同社予測でも、モバイルデバイスに対する脅威は、さらに拡大するとみている。

 同社では2013年の予測として、「ソーシャルネットワークの悪用」、「サイバー紛争の日常化」、「デバイスそのものを使用不可にするマルウェア」、「Mobile AD(MAD) Wareの台頭」、「攻撃も、モバイルやクラウドに移行」の5点をあげる。

シマンテックの予測

 ソーシャルメディアを通じてユーザーの決済情報や個人情報を盗んだり、迷惑な広告を表示するMADが急増すること、ユーザーの情報を人質にして金銭を脅し取るランサムウェアが浮上することなどを示している。

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