Windows 8に完全対応した「ATOK 2013 for Windows」
一方、一太郎2013 玄とともに、発売されるのが日本語入力システムであるATOKの新製品「ATOK 2013 for Windows」である。
ATOK 2013 for Windowsは、Windows 8に完全対応した製品で、Windows 8のタッチキーボードでの入力にも対応。デスクップ上で動作するアプリケーションと、Windows ストアアプリのアプリケーションにおいて、学習履歴やユーザー辞書、環境設定が共有できるようにしている。
さらに、SNSの広がりにあわせて、キーワード単位や、単文節入力といった利用にも最適化。操作性の向上とともに、変換エンジンの強化も図っている。
ジャストシステムの福良社長は、「ATOK 2013は、日本語入力が必要されるあらゆる場面において、誰でも使えて、最も身近で、最善の環境を提供できるものになる」とする。
スマートフォン版で広がりを見せるATOKだが
実は、ATOKでは、スマートフォン向けの販売が好調だ。
2011年度には、Android版、iOS版といったスマートフォン向けのATOKの販売が、PC版のATOKに比べて1.6倍もの販売数量に達しており、もはやATOKは、モバイルデバイス向けの販売が主軸となっている。
Windows 8にも対応したことで、今後普及が見込まれるWindows 8搭載タブレットでの利用促進が期待され、モバイル環境における活用範囲は広がりをみせることになる。
福良社長が、「日本語入力が必要とされるあらゆる場面」とするのも、こうしたモバイル環境での利用を広くカバーするという狙いがあるからだ。
ただし、日本語入力システムにおいては、マイクロソフトが提示したWindows 8対応ソフトウェア向けのレギュレーションが厳しく、これに準拠しなくてはならないため、Android版に比べて機能が制限されているといった状況にある。その点ではジャストシステム側も悔しがる。「日本マイクロソフトとの情報交換を通じて、改善を期待している」と同社では語る。
ATOKの機能を最大限に発揮できないことは残念な点だろう。
なお、ATOK 2013 for Windowsは、すでにプレビュー版が、ATOK.comにおいて、無償で公開されている。ひと足早く使用してみるのはどうだろうか。
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