10月26日は、世界中でWindows 8の提供開始日(GA、General Availability)となった。GAはWindowsのパッケージ販売や、プリインストール製品の販売が開始される日のこと。いわゆる「発売日」だ。時差の関係で、日本ではすでに販売が開始されているが、マイクロソフトのホームグラウンドである米国でも、前日の25日(現地時間)には出荷開始イベントや深夜販売が行なわれた。
米国ニューヨークでは、マイクロソフトが臨時のMicrosoftストア「ホリデーストア」を2店、マンハッタン島内に開設。報道関係者向けのイベントも行なわれた。イベントはWindows 8とWindows RTタブレット「Surface」の2本立て。ただし新規の情報はなく、これまで言われてきたことが繰り返されただけだった。
イベント冒頭で登場した、Windows 8の開発責任者であるWindows&Windows Live担当副社長のスティーブン・シノフスキー氏は、Windows 8がこれまでのWindowsのリリースの中で最高のものだと述べる。シノフスキー氏はWindows 95とWindows 8を比較し、これまでのWindowsの進歩を総括。Windows 8はWindowsを、「チップセットから体験まで『再創造』した」ものであり、その再創造により、これまでになかった最高のPCを作ることができるようになった、とシノフスキー氏は述べた。
Windowsは、Windows Vistaで初めてモバイルPCを意識して作られたが、消費電力低減や小型のハードウェアに対する取り組みは遅れていた。Windows 8では、バッテリー寿命やタブレットへの対応など、さまざまな面での改良があり、これを元にすることで、これまでになかった形状やスタイル、使い方のPCを作ることが可能になった……というわけだ。
イベントの最後には、マイクロソフトCEOのスティーブ・バルマー氏が登場。今回は口調も落ち着いたもので、イベントの基調講演などで彼がよくやる「Windows! Windows! Windows!」の「3回繰り返し」もなかった。それでも「今日はエキサイティングな日である」として、シノフスキー氏と同様に、これまでで最高のPCが登場するとして、タブレットやARMプロセッサー対応など、Windows 8によって可能になるさまざまな製品の可能性に期待を示した。
またWindows 8には、「マイクロソフトのすべてが入っている」とバルマー氏は述べた。これは、Windows RT版のOffice、「Bing」や「SkyDrive」、「Outlook.com」などマイクロソフトの各種サービスのアプリ、Xbox系のサービス(Music、Video、Games)などを指している。Windows 8には、これまでのマイクロソフトの集大成的な部分があるというわけだ。