久々に自作PCに挑戦しようという人のための応援企画として毎年恒例の「アキバで恥をかかないための最新パーツ事情」を今年もお届けする。2011年から2012年にかけて、例年になく新型CPUやGPUが登場し充実した1年となった。久々にパーツショップを訪れた人は、おそらく初めて目にする製品の多さに戸惑うかもしれない。IntelかAMDか、はたまたGeForceにするかRadeonにするか。そろそろSSDの導入は?
それではさっそく、2011年~2012年にかけてのPCパーツのトレンドを一気に振り返っていこう。第1回の今回は基幹パーツである「CPU、マザー、メモリー編」だ。
CPUの世代交代でプラットフォームごと大幅変更!
2012年の最新CPU事情
AMD、Intelともにこの1年間は非常に動きの激しいものとなった。最新製品の投入が続々と続き、プラットフォームも大幅に変更。当然ながら、最新CPUともにマザーボード市場も新チップセット登場に沸いた1年となった。
マザーボードの買い替え時にシステム全体の見直しを図るユーザーも少なくないだろうが、時期的には今がその時。最新製品が出揃ったこの時期は、まさにPC買い替えには非常にオススメといえる。ここからは、この1年に登場した最新CPUにスポットを当てるとともに、マザーボードについても合わせて見ていきたい。
2011年から2012年の最新CPU事情~Intel編~
それでは具体的にCPUラインナップから確認していこう。まずIntel製CPUだが、現在デスクトップPC向けの製品としてLGA 2011、LGA 1366、LGA 1155、LGA 1156、LGA 775の5ソケットの製品が入手可能だ。
このうち、すでにLGA 1366とLGA 1156、LGA 775は過去のプラットフォームとなっているため、現実的にこれから新規にPCを組むならLGA 2011かLGA 1155を選択することになる。
まず秋葉原で購入できるのは以下の4つのセグメントに分けられたCPUだ。
最新のハイエンドは“Sandy Bridge-E”ことLGA 2011へ
2008年11月の発表以来、長年にわたってハイエンドの座に君臨してきたLGA 1366プラットフォームだが、2011年6月に登場した「Core i7-980」を最後に、ほぼその役目は終わった。代わって登場したのがSandy Bridge世代の上位モデルとなるコードネーム“Sandy Bridge-E”だ。現在は最上位モデルの「Core i7-3960X」を筆頭に、4コアモデル「Core i7-3820」を含めた3モデルが展開中である。
Sandy Bridge-E スペック表 | |||
---|---|---|---|
CPU | Core i7-3960X Extreme Edition |
Core i7-3930K | Core i7-3820 |
開発コード | Sandy Bridge-E | ||
プロセスルール | 32nm | ||
コア数 | 6 | 6 | 4 |
スレッド数 | 12 | 12 | 8 |
動作クロック | 3.3GHz | 3.2GHz | 3.6GHz |
TurboBoost時クロック | 3.9GHz | 3.8GHz | 3.9GHz |
L2キャッシュ | 256KB×6 | 256KB×6 | 256KB×4 |
L3キャッシュ | 15MB | 12MB | 10MB |
TDP | 130W | ||
倍率ロックフリー | 対応 | 対応 | 非対応 |
このSandy Bridge-Eは、基本アーキテクチャーはSandy Bridgeそのままに、インターフェース周りを大きく変更。なかでも最大のトピックとなるのが4チャンネルに対応するメモリーコントローラーだが、ここから先は以下のマザーボードセッションで解説する。
LGA 2011マザーのチップセットは「Intel X79 Express」
そんなハイエンドCPUに対応するマザーボードが「Intel X79 Express」(以下、X79)採用の製品だ。各社ともハイエンドの製品だけに、かなり力が入っている印象で非常に充実したスペックの製品が多いのも特徴といえる。
また、同チップセットのウリとして挙げられるのが4チャンネル対応メモリーだが、各チャンネルがデュアルチャンネルで動作するため、メモリースロットは最大8つ。対応マザーボードには、ほとんどのモデルで合計8つのメモリースロットが用意されているのが普通だ。メモリーの種類はDDR3-1600までをサポートし、大容量メモリーを存分に搭載できる。
そのほか、CPU内蔵のPCI Express 2.0が40レーンになったほか、6GbpsのSATA3.0を2ポートまで標準でサポートしている。なおX79のパフォーマンスについてはこちら「Core i7-3960XとX79マザーが放つエクストリームな性能とは?」を参照してほしい。
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