対外的なネットワーク機能のないポメラのクラウド的テキスト入力機能を最大限に生かすのは、ポメラとBluetooth接続されたiPhone 4だ。標準搭載された5.7インチSVGAの液晶を使用せず、単なるBluetoothキーボードとしてiPhone 4に文字入力することもできる。
残念ながらiPhone 4が少々重すぎて、ポメラの液晶にもたせかけ、見やすい角度まで開くと、重量バランスの関係から背面に転倒してしまう。iPhone 4を横向きに置くことで多少の重心位置は改善され、なんとか転倒を免れて使用できる。
ポメラ DM100の液晶画面左右にある余裕のスペースには、左側に「Bluetooth起動ボタン」、「内部文章のQRコード化のボタン」、「カレンダー表示のボタン」の3つが配置されている。右側のスペースには、「国語・英和・和英の各辞書の起動ボタン」が配置されており、文章入力中に、適時呼び出して便利に活用可能だ。
入力した文章をネットワークに送り出す方法として、ポメラ DM100をiPhone 4のBluetoothで接続してリモートキーボードとして直接iPhone 4に入力するのも悪くはないが、筆者の個人的感覚では、ポメラ DM100で単体文字入力し、書き終えた段階で、文章全体を連続する複数のQRコードに変換し、同社の提供する無料のアプリを利用してiPhone 4のカメラ機能で読み込むのが意外と便利だ。
QR機能を搭載していることをカタログスペックで見ていた時点では、極めて奇異なデータ転送方式に思えた。実際にやってみると、連続する複数のQRコードを順次ポメラ DM100の液晶に表示し、iPhone 4で連続的に読み取るのは極めてスムースかつ確実な操作方法であることに驚いてしまう。iPhone 4で読み取った結果の文章は、Evernoteにアップロードしたり、ツイートしたり、メールすることができる。
ポメラ DM100は、これといって特別斬新だったり、最先端だったりするハードウェアや機能を盛り込んでいるわけではない。しかし、文字入力に重点を置き、外部機器とのローカル連係は、SDメモリーカードとUSBに絞り、ネットワーク連係は売れ筋のスマートフォンにすべて任せてしまうという「割り切りの価値」が初代機の時も、そして今も踏襲されていることが素晴らしい。
値崩れしたモバイルPCより値段は高いが、割り切りの価値を理解できる人のみが買えばよい今時、貴重でユニークなウルトラ・プロダクトだと思った。
今回の衝動買い
アイテム:キングジム「ポメラ DM100」
メーカー希望小売価格:3万7800円
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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