信号電圧は5Vと3.3Vが併存
PCI Busそのものについて、簡単におさらいしておこう。まずバスの形式は、ISAやEISAと同じく共有バス方式のパラレル転送である。PCI 1.0時点での仕様は、バス幅は32bitでアドレス空間も32bit。信号速度は「最高」で33MHzである。最低は「0」なので、要するに33MHz以下であれば基本的には何でもOKである。実際、初期の製品の中には25MHzで駆動されるものもあった。
信号電圧は5Vと3.3Vの両方がサポートされている。拡張スロットが規定されていない1.0の時点では、オンボードデバイスだけだったからこれでも良かった。だがRevision 2.0で拡張スロットが定義されるにあたっては、混乱を招かないように「サポートするのが3.3Vか5Vか」は、スロットやカードエッジの形状でそれがわかるようになっている。
まずスロットの方は図1のようになっており、マザーボードがどちらの信号を扱えるかで形状が異なっている。これに対応する拡張カード側のカードエッジも図2のようになっている。実際筆者が所有していた当時の拡張カードを調べてみると、5V専用カードと両対応カードが結構入り乱れている。大雑把に言えば、2000年頃までのカードは圧倒的に5Vのみのものが多いが、それを過ぎると両対応製品がかなり多くなってきている。
発表当初は使えるものではなかったPCIだが、1993年に登場したRevision 2.0で拡張カードがサポートされるようになり、また32bit幅に加えて64bit幅も規定された。こちらはEISAなどと異なり、物理的にスロットの長さが長くなっている(XT-Bus→ISA Busの関係に近い)。バス幅の64bit化にあわせて、(オプションながら)64bitアドレスもここで定義されている。
このPCI 2.0に66MHz転送モードを追加したのが、1995年6月にリリースされた「Revision 2.1」である。このRevision 2.1は、インテルのIntel 440BXチップセットという大ヒットチップセットで実装されたRevisionでもあり、大きく普及することになった。この頃から拡張カードは、ISAに代わってPCIを使うようになり始めており、そうした普及に一役かったRevisionである。この2.1では、「Delayed Transaction」と呼ばれる転送効率向上のメカニズムのほか、PCI Bus ブリッジの定義なども追加されている。
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