Opera Software(以下Opera)によるプレスイベント「Up North Web」が、10月14日、ノルウェーのオスロで開催された。
同イベントは、創立15年を迎えた同社が初めて開催するもの。各国からのメディアを集め、「これからのWeb」について考える機会を持ちたいという趣旨で行われた。インド、中国、台湾、韓国、シンガポール、米国、北欧各国など18ヵ国から、約50人の報道関係者が集まった。
「Up North Web」では、創立者やCEOからのメッセージに加え、拡張機能(Extensions)に対応した「Opera 11」やAndroid版「Opera Mobile」など新製品の紹介、ウェブ標準への対応についての説明を聞くことができた。また、本社オフィスへの訪問や個別のインタビューの機会も得られた。
ここではその様子を数回に渡ってレポートし、「Opera」の今後についてひも解いていく予定だ。
意外に身近な「Opera」の技術
Operaは、インターネット関連企業としては珍しく、米国ベースではないグローバル企業だが、それゆえに日本からは馴染みが薄く、Operaがどんな会社であるかをよく知らないという人も少なくないだろう。そこで、少しだけおさらいをしておきたい。
Operaブラウザーは、その高速性と洗練された独自の機能が売りとなり、ギークのファンが多い。そんなファンたちには周知のことだが、タブ機能の草分け的な存在としても知られている。Windows、Linux、Macintoshのほか、ニンテンドーDSやWii、テレビのインターネット機能(日本では東芝「REGZA」が採用)など、様々なプラットフォームやデバイス上で使用されている。
これまで、シェアという観点では大きくは目立ってはこなかった「Opera」だが、モバイル向けに開発された「Opera Mini」では順調にシェアを伸ばし、今年最も人気の高いモバイルブラウザーとなっている。また、「ウェブ標準化」の重要性を意識し、早期からHTML5の策定に深くかかわってきている企業の一つということにも注目したい。
「Up North Web」の基調講演では、同社のCEO、CTOたちが「これからのWeb」や「Web標準化への取り組み」について語った。