近年のパソコン業界は、「過剰なレギュレーションが敷かれたモータースポーツ」のようなものだ。プラットフォームが決まっているのだから、性能を追うだけなら横並びになり個性を失ってしまう。しかし、明確なコンセプトを打ち出し、その目標に正しく進化するなら突破口が開く。
日本HPのノートパソコン「HP ENVY14 Beats Edition」(以下ENVY14)は、まさにソレである。「Beats Audioシグネチャーモデル」を標榜する製品が、何をどこまで追求したのかを探ってみる。
単なる14型ワイドノートではない!
始めに「Beats Audio」について簡単に触れておこう。残念ながら筆者はそちら方面には疎いのだが、ヒップホップ・ミュージック界のトップアーティスト「Dr. Dre」(ドクター・ドレー)によるオーディオブランドが、Beats Audioだという。
HPの大型ノート「HP Pavilion Notebook PC dv7」でも、前面ステレオスピーカーやディスプレー左下に、Beats Audioのロゴやマーク(アルファベットの小文字Bを意匠化したもの)が小さく記されていたが、今回のENVY14では「B」のロゴが天板中央に大きく目立つように記された。本製品において最重要視しているのがオーディオ(サウンド)という証なのだろう。
そのコンセプトは、パッケージから徹底されている。外箱を開けると、本体カラーと同色の上質な化粧箱が現われる。期待を抱きながら蓋を開けると、さらに中からソフトケースに入れられたENVY14本体が登場。マニュアル類なども電子化してSDメモリーカードに収めたものを添付するなど、心憎い演出がなされている。
Beats Audio を象徴する「B」のロゴは各所にあり、さらにはWindows 7のメニューやアイコン、ウインドウのデザインに至るまでBeats Audio独自のテーマとなっており、隙がない。
外装も単にカラーを変えただけではなく、パームレストやキーボードの周囲、底面までもがラバーコーティングされており、しっとりとした質感で応えてくれる。また、ACアダプターも今までにないケーブル着脱が可能なスリムタイプを採用する。
なお、「ENVY」とはフランス語で「羨望」などを意味する言葉だ。映像や音楽などエンターティメントを存分に楽しめるようにした機種に付けられるシリーズ名だという。ENVY14とは、「14型ディスプレーを搭載し、オーディオに特化したノート」ということになる。
この連載の記事
-
第133回
PC
Skyrimも快適? GeForce内蔵Ultrabook ASUSTeK UX32VD -
第132回
PC
写真やゲームをより美しく見せるナナオの液晶 FS2333 -
第131回
PC
デジカメとスマホを手軽に連携する無線LAN SDカード FlashAir -
第130回
PC
無線とタッチで使い勝手が進化したペンタブレット Intuos5 -
第130回
PC
スレートPCをCore i7で蘇らせたオンキヨー TW3A-A31 -
第129回
PC
店頭モデルも4コアCPUに パワーアップしたLets'note B10 -
第129回
PC
小型でも強力GPU搭載のゲームPC Alienware X51を検証 -
第129回
PC
Ultrabookと一緒に持ち歩きたい 超小型マウス「Cube」 -
第129回
PC
14型のUltrabookはアリか? デザイン重視のENVY 14 SPECTRE -
第128回
PC
WiMAXモバイルルーターの決定版!? Aterm WM3600Rを試す -
第127回
デジタル
高速SSDで起動・復帰が速いUltrabook Aspire S3-951 - この連載の一覧へ