従来モデルの筺体に不満が無ければ大満足
筺体は従来モデルのCF-R8と大きな違いはない。端子類やキーボードの感触、キーピッチなども従来と同様だ。軽く剛性の高いマグネシウム合金製のボンネット天板や液晶内部の補強フレーム、衝撃から内部を守るための基盤のフローティング構造など、堅牢性もそのまま。
クルクルなぞるようにして、Webサイトやソフトの縦横スクロールができるホイールパッドはやはり操作性がいい。ホイールパッドならWebサイトなどを開いた直後に縦/横スクロールができるため、キビキビと調べ物をしていける。
液晶ディスプレーは10.4型と小型で、解像度は1024×768ドット(XGA)。最近ではモバイルでも大画面・高解像度化が進んでいるので、やや情報量が少なく感じる印象もあるが、最低限必要なラインは押さえている。
もちろん、法人向けモデルならではの機能もきちんと踏襲しており、モデム端子のほか、本体搭載の端子類では足りない場合に備え、別売りのミニポートリプリケーターを接続できるコネクターを装備している。
個人向けモデルと異なる点は、法人名義での購入を前提としたものとなるため、WiMAXのようなトレンド機能は極力廃している点。そして、カスタマイズに関しては、Buletooth/非接触ICカードリーダー/フラッシュメモリードライブ/バッテリー3年保証サービスなどを加えられるが、いずれも数百台単位での発注時に限られるところだ。
OSに関しては32bit版のWindows 7 Professionalがプレインストールされているが、リカバリー時に64bit版を選ぶこともできる。メインメモリーは4GBまで搭載できるので、必要に応じて64bit版を選択するといいだろう。
特にビジネスユースでの悩みどころは、古いアプリケーションに対応しているかどうかだ。しかし、Windows 7 ProfessionalではXPモードを使用でき、XPのダウンロード権もある。さらに、XPダウングレード済みで出荷するモデルも選べるため、現状の企業環境に対応でき、後々Windows 7へ移行するための道筋も併せ持つのは魅力だ。
CF-R9は「常に持ち運びたい!」気持ちに応える1台だ!
CF-R9に超低電圧版といえどCore i7を搭載するのは、大変な決断と開発作業に思われる。筺体の見た目は同じでも、冷却機構やマザーボードには多きな変更が見られ、大変な労力を投入した痕跡が伺えるからだ。
なぜそこまでして……という疑問に、パナソニックの広報担当者は「モバイルといえ、パワーを求める声が大きかったためです。コンパクトサイズのRシリーズでも、放熱構造を一新させ、Core i7を搭載し、とことん高性能にこだわりました」と話す。
今回は完成品に近い試作機での評価となったが、出荷される製品版ではさらに調整が進んでいるだろう。
ネットブック並みに小さい本体でも高性能で、レッツノートブランドの堅牢性とビジネスユーザーに配慮したモバイル性と使いやすさを継承しつつ高性能化したCF-R9。本製品は常に持ち運び、業務をテキパキこなしていきたいビジネスユースにもしっかりと応えてくれるはず。モバイルでも性能に妥協したくないと考えるなら、最高の1台と言えるだろう。
CF-R9の主な仕様 | |
---|---|
CPU | 超低電圧版Core i7-620UM(1.06GHz) |
メモリー | 2GB |
グラフィックス | CPU内蔵 |
液晶ディスプレー | 10.4型 1024×768ドット |
ストレージ | HDD 250GB |
無線通信機能 | IEEE 802.11a/b/g/n |
インターフェース | USB 2.0×2、アナログRGB出力、モデム、1000BASE-T LANなど |
サイズ | 幅229×奥行き187×高さ42.5mm(最薄部は29.4mm) |
重量 | 約0.93kg |
バッテリー駆動時間 | 約7.5時間 |
OS | windows 7 Professional 32bitと64bit |
実勢価格 | 19万円前後 |
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