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【最新パーツ性能チェック(Vol.10)】Opteron 1.6GHz+MSI“K8D Master-F”世界で初めて明らかになった秘密も登場!

2003年05月03日 19時55分更新

文● 週刊アスキープラス編集部 野口岳郎

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仮想敵はXeon-2.66GHzだが、今回はP4-2.8GHzと比較

 さて、ここからは気になるOpteronの性能を計測していくわけだが、最初に、性能を何と比べるべきなのかを知る必要がある。
 Opteronはマルチプロセッサのサーバ、ワークステーション用ということで、リリースにはSPEC CPU2000 rateという、単位時間にどれだけの数の処理を行なえるかを示すものや、顧客発注システムをシミュレートし、どれだけのトランザクションを行なえるかを示す「TPC-C」の結果が前面に出てくる。

 だが、我々が知りたいのはシングルプロセッサ時の性能だ。これはリリースには出てこないが、AMDのホームページに行くとなぜか未発表のシングルCPUシステム用「Opteron 144」なる製品のベンチマーク結果として、SPECint/fp 2000の値が載っている(SPECint_peak2000 Uniprocessor BenchmarkSPECfp_peak2000 Uniprocessor Benchmark)

 それによると、整数演算性能を見るSPECintは1170で、4月末時点で、全CPU中トップである。2位にXeon-3.06GHzが1138と僅差でつけている。一方浮動小数点演算能力を見るSPECfpは1219。ここはRISC CPUが伝統的に強いジャンルであり、2003年になってから怒濤の新製品ラッシュがあったこともあり、Opteron 144は、1位のAlpha 21364(1482)から数えて9位に留まるが、Xeonはさらに落ちて13位である(同一CPU/同一クロックのものは省いて順位づけした)。ちなみにItanium2は、intで約30位、fpは2位である。  もっとも、ここでトップを争っているようなCPUのうち、Xeon/Pentium 4/Athlon XP以外は、とても個人に手の出るような価格では買えないし、Windowsも動かない。個人ユーザーが購入候補としてOpteronを考える場合、競合CPUはXeon/Pentium 4/Athlon XPに限られると言っていいだろう。

 問題は、Opteron 144なる製品の素性だ。なにしろ発表されていないので、クロックがわからない。ただ、AMDはOpteronシリーズについて、下2ケタが性能を表わすと述べているから、Opteron 144は、Opteron 244のシングルプロセッサ版と見ていいだろう。とするとOpteron 144は1.8GHzと仮定できる。
 今回手元にある製品は、Opteron 242(1.6GHz)である。これはOpteron 144より0.2GHz低く、割合にすれば87.5%だ。1.8GHz時にPentium 4-3.06GHzを上回るということは、単純計算では、1.6GHz時にはPentium 4-2.68GHzを上回ると予想できる。そこで今回は、メインの対決相手としては、やや強めのPentium 4-2.8GHzを当てつつ、4月に登場したPentium 4の最速選手、3GHz版や、現行Athlonの上位モデルの性能と見比べて、Opteronの性能の特徴を見ていくことにしたい。

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