【最新パーツ性能チェック(Vol.10)】Opteron 1.6GHz+MSI“K8D Master-F”世界で初めて明らかになった秘密も登場!
2003年05月03日 19時55分更新
アキバ一番乗り!「K8D Master-F」の詳細
アキバ一番乗りを果たしたエムエスアイジャパンの「K8D Master-F」。AMD8131チップセットでPCI-Xスロットを3本備えるサーバ向けデュアルCPU対応マザーだ |
今回のテストベッドは、秋葉原でリテール一番乗りを果たした、MSI製のAMD8131チップセット搭載マザー「K8D Master-F(MS-9131)」だ。AMD8131チップセットはサーバ用途を想定しており、PCI-Xインターフェイスを2チャンネル備えるが、AGPインターフェイスは持っていない。
K8D Master-FはデュアルSocket 940を備え、Opteron 200シリーズを2つまで装着できる。もちろん、単体で装着しても動作する。
ご存じのようにOpteronのシステムでは、それぞれのCPUにメモリが接続される。ただ、両CPU間を結ぶハイパートランスポート(HT)バス(バンド幅6.4GB/秒)によって、他のCPUが管理するメモリにもアクセスできるため、OSやアプリにとってはメインメモリのサイズは、CPU0、CPU1それぞれに装着されたメモリの合計となる。またこのおかげで、メモリがCPU0側にだけしか装着されていなくても、デュアルCPUマシンとして動作することができるようになっている。
K8D Master-Fでは、CPU0側に4つ、CPU1側に2つのDIMMスロットが設けられているため、2GBのモジュールを使えば、最大12GBのメモリを搭載可能となる。なお、メモリはRegisteredタイプのみ利用可能で、PC1600/2100/2700をサポートする。
2チャンネルのメモリインターフェイスのパワーをフルに発揮するには、nForce2やCanterwoodなどと同様、正しい位置に2枚単位で装着する必要がある。ただ、偶数番目のスロットだけにメモリを差すことで、64bitモード(1チャンネルだけの動作)も可能になっている。
中央の斜めに置かれたチップが、コードネーム“Golem”のHyperTransport PCI-X 1.0 Tunnel「AMD8131」。あえて言えばNorth Bridge相当のチップだ。2チャンネルのPCI-XインターフェイスとIO APIC、およびHTトンネルの機能を持つ。こちらがNorth Bridgeに相当し、CPUとは6.4GB/秒で接続されている。
K8D Master-FではGolemによって、64bit PCI-Xスロットが2つ(100MHz動作まで)、32bit PCIスロットが3つ、それぞれ提供されている。
その右にあるのが、コードネーム“Thor”のHyper Transport I/O Hub「AMD8111」で、Ultra ATA133×2、USB 2.0×6、PCI、AC97、10/100Base LANなどの機能を提供する。South Bridge的な役割となる。ただK8D Master-FではAC97と10/100Base LAN機能は使っていない。またUSBポートは4つで、USB 2.0サポートは「オプション」となっている。8111によるPCI機能は利用していない。
AMD8131とAMD8111の間は最大800MB/秒で接続される。
K8D Master-FではLAM機能は、BroadcomのBCM5704チップを搭載することで、2チャンネルのギガビットイーサインターフェイスを提供している。また、オンボードでRAGE XLビデオチップと8MBのビデオメモリも搭載している。
PCI-XスロットにUltra 320 SCSIカードなどを差して高性能デュアルCPUサーバとして使うのが基本的な用途と思われるが、今回はこの環境で、シングルCPUで動作させて、個人ユーザーにとって重要なCPU単体時の性能を検証していく。