筆者は今年の6月に予約して5ヵ月後の11月にやっと手に入れた。「BR03-92 Phantom」は、トレンド誌や腕時計専門誌の誌上で見かけることは多いが、店頭などでも本物を見るチャンスは極めて少ない腕時計だ。世界中で500個の限定品であり、日本にはその中から任意の数が割り当てられるに過ぎない。
ラバーベルトながら重量は120グラムを超え、メタルバンドのロレックスGMTなどとほぼ同じ重さだ。何よりも一辺42mmの真っ黒でハードボイルドな外観は、丸い一般的な腕時計に比べて圧倒的な迫力と存在感がある。
おかしな現象だが、Phantomが市場に登場して以来、国内外の腕時計メーカーから視認性の低さを競うように、敢えて文字盤上の時刻を読みづらくした多くの類似モデルが出現してきている。
Bell&Ross社の戦略は、腕時計本来の機能性の一つである視認性を「意図的に低くする」ことで、逆に、現代だから通じる「ファッション性を上げる」という斬新なものだ。
この無謀とも言える戦略が、生まれて間もないBRシリーズ全体を牽引し、Bell&Ross社のブランド認知度を引き上げたことは明確だろう。
「当然という観念を覆す」この狂気とも思えるデザイン戦略が腕時計以外の分野の商品にも通じるかどうか……今の筆者にとって最大の関心事だ。
今回の衝動買い
アイテム:Bell&Ross社 「BR03-92 Phantom」
定価:42万円(御徒町 世界の時計 「ティーエスホリウチ」)
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
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