ITコンサルタントのススメ
いつの間にか「ITコンサルタント」に対する愚痴になってしまいましたが、筆者が言いたかったことは、「だから、ITコンサルタントにはSEがなるべきだ」ということです。
今の日本で“IT”をコントロールするのは至難の業です。付け焼刃の知識が通用することはなく、時間をかけて体に叩き込んだノウハウのみが、ITという暴れ馬を従順にすることができるのです。まあ、それだけ難しい仕事なので、お客さんも大金を払うのでしょう。その素養を持っている者で、最も近くにいるのがSEなんですね。だから、SEとしてのキャリアを積んだら、その先にITコンサルタントを目指さないと“もったいない”と思います。SE未経験者よりも、ずっと成功する可能性が高いのですから。
ITコンサルタントを目指すなら
最近、“カクサ、カクサ”と何かにつけ“格差”が話題になっています。中には本当に問題となっている格差もありますが、プログラマとITコンサルタントの格差ってどうなんでしょう。
「ものには順序がある」。これは、当たり前のことです。「ローマは一日にして成らず」、「石の上にも三年」、「急がば回れ」、「急いては事を仕損ずる」、「臥薪嘗胆」……。(単価は安くても)プログラマやSE経験があって良かったと、(将来?)ITコンサルタントになったときに実感できるはずです。
そして、苦労ついでにもうひとつ。下積み経験を生かすためには(飛躍するためには)資格が必要です。ITコンサルタントの自分を見てもらうために、中小企業診断士やITコーディネータなどの資格を取りましょう。これらの資格は、商談の入り口にしか使えませんが、真の実力があればそれだけで十分ですよね。
■中小企業診断士
国内で唯一、国家が経営コンサルタントとしての能力をもっていると認定する資格で,非常に人気も高い。難易度はシステムアナリストと同程度である。約1万数千人の有資格者がいるが、ITのスペシャリストは意外に少ない。
■ITコーディネータ
平成13年、“経営とITの橋渡し”を合言葉に,中小企業のIT化支援目的で創設された資格である。「特定非営利活動法人ITコーディネータ協会」が運営する。SIベンダーのSEが取得しているケースを除くと、ITのスペシャリストは意外に少ない。
三好康之(みよし・やすゆき)
(株)エムズネット代表。SE出身のITコーディネータとして、SIベンダーとの交渉代理、見積もり妥当性チェックなど、利用者側の立場で情報化の支援をしている。また、SEの資格取得支援や執筆活動にも精力的に取り組んでいる。
e-mail:y_miyo@mwc.biglobe.ne.jp
URL:http://www5b.biglobe.ne.jp/~miyomiyo/
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