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山谷剛史の「中国IT小話」 第27回

おっさんの「社交場」化が進む、中国のゲーセン

2008年05月29日 10時59分更新

文● 山谷剛史

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賭博場になりつつある中国のゲーセン


 最近、日本のゲーセンに元気がないというニュースをよく見る。利用者離れが起き、日本の地方都市を中心にメーカー直営のゲーセンが閉鎖されていっているという。日本の新作ゲームタイトルのリリース数が少なくなり、また海賊版対策がため撤退したり、海賊版対策を強化したことから、中国のゲーセンにおいても新作タイトル投入が全くといっていいほどなかった。新しいタイトルがまったくなくても、数年間は既存の利用者は新作を求めてないのか、いつもレトロゲームを遊んでいた。

取り締まり記事

ギャンブル場と化したゲーセンを取り締まる記事

 それでもいい加減同じタイトルばかりあってゲーセンが飽きられつつあるのか、中国のゲーセンに変化が見られるようになった。

 「(中国人の)客を呼べる新作ゲームをできるだけたくさん呼びたい」──その結果、ゲーセンは非合法なギャンブル場と化した。「安価な中国製ゲームで、金稼ぎが大好きな商売気質の中国人を呼び、リスキーでも商売繁盛したい」というゲーセンオーナーらの欲望の結果、中国の別の産業でも見たような構図がゲーセンにもやってきた。結果、地方都市を中心に、入口だけフェイクとして普通のゲーム機が置かれている一方で、店の奥に中国製ギャンブルゲームが並ぶゲーセンが大量に出現した。

 中国においては、ゲームセンターに日本のゲームが置くことも、非公認のギャンブルをすることも違法だ。ただし、前者はお目こぼしがあり、後者は厳しく取り締まるらしい。最近新装開店したゲームセンターがたくさん出現しているため、そうしたゲームセンターが取り締まられている。

おっさんの場に

ゲーセンは、若者の娯楽施設から麻雀ゲームだらけのおっさんの社交場へと変貌を遂げている

 中国のゲームセンターも、日本と同様に岐路に立たされている。その点については同じだが、日本と異なり中国では、若者のためのゲームセンターが減り、リスキーなおじさんのためのゲームセンターに変貌しつつあるのである。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」(http://blogmag.ascii.jp/china/)も絶賛更新中


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