野村総合研究所 副主任システムコンサルタント ビジネスインテリジェンス事業部 マーケティングソリューショングループ 神田晴彦さんは次のように話します。
「コールセンターやWebを通じて顧客から寄せられる声の数が膨大になっており、その処理に困っている企業は数多く存在します。TRUE TELLERはテキスト情報を見える化することで、顧客の声の“なぜ”を示します」(神田さん)
ある大手家電メーカーでは、取り扱い商品数が10万点にも上るため、顧客だけでなく、取引先や販売店などから、問い合わせや相談件数が年間で約140万件にも及ぶというケースもあります。しかし、文字情報は数値と違い、エクセルでピボットテーブルにかけることができず、グラフにすることもできません。そこで顧客の声の中の「何のキーワードが、何件あった」のかを集計・分析し、グラフ化できるのがTRUE TELLERの特徴です。
例えば、Aという化粧品に対し「香りは良いが、ボトルがあけにくい」と感じているユーザーがいたとします。「香りは良いが、ボトルがあけにくい」は数値化できないお客の感情や印象です。TRUE TELLERはそれらのテキストデータの集合体を単語単位に分割し、文章中の係り受け(「香り」→「良い」、「ボトル」→「使いにくい」)の微妙なニュアンスを捉えた後に、集約・分類・数値化するわけです。このAという商品の「香り」は支持されているわけですが、「ボトル」に不満を持つユーザーが多いと分かれば、次に改善すべき手が見えてくるわけです。同じように外食店のアンケートをTRUE TELLERで分析することで、下図のように、店舗イメージを調べたり、“何”が再来店する動機になっているのかを分析することができます。
「TRUE TELLERはは、フライパンや包丁といった調理器具と捉えてもらえば分かりやすいかもしれません。“顧客の声”という材料をTRUE TELLERという調理器具を使って料理します。しかし、できた料理を食べて栄養にするのは、分析結果を分析者が吟味し、次の一手を打つ必要があります」(神田さん)
では具体的な調理例をいくつか挙げてみましょう。