タイ郊外「カンチャナブリー」への鉄道撮影の旅。前回、タイ国鉄最大級の絶景地で鉄道撮影に成功した筆者だが、実はこの旅にはもうひとつの目的があった。
さて、バンコクのアパートに戻って原稿を書きながら、旧泰緬鉄道の撮影行程を振り返っている。カンチャナブリーへの滞在は締めて5泊6日で、実際に撮影を行なったのはバイクを借りた4日間だけだった。
10月上旬のタイは雨季。それを承知で無理な撮影を敢行したのだが、やはり撮影中の土砂降りや移動中の激しい雷雨は辛かった。しかし、無茶をしてでも撮りたかった風景がある。それは虹を背景に入れた写真だ。
カンチャナブリー周辺には、線路がちょうど東西に伸びている区間があるので、夕日に照らされた鉄道車両の撮影が行ないやすい。それはつまり、夕方の土砂降りの切れ間に一瞬でも日が差し込めば、東の空に虹が出やすいということを意味する。さらに、そのタイミングで写真のフレーム内を列車が通りかかってくれさえすれば、虹と鉄道車両をセットで撮影できる。そんな天文学的な偶然を期待した撮影、つまり駄目もとの挑戦だったわけだ。
結果として、自然が味方してくれたおかげで、何とか「虹を背景に鉄道を撮る」という目標は達成された。上の写真が今回の挑戦の結果だ。
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