長い歴史で培った技術で、ミッションクリティカルを支える
一方、「Truly Trusted」では、「信頼に裏打ちされた技術」、「技術を正しいことに使う姿勢」、「ミッションクリティカルを支える力」の3点をあげる。
森田社長兼CEOは、「真にオープンな社会を実現するには、技術そのものや、その担い手に対する信頼が欠かせない。NECは時代ごとのミッションクリティカルを支えることで培ってきた技術と信頼があり、これからも技術を正しいことに使う姿勢を世に示し、社会からの継続的な信頼を獲得していきたい」と語る。
「Truly Trusted」を構成するひとつめの「信頼に裏打ちされた技術」では、NECが持つ世界トップクラスの生体認証と、AIや5Gといった信頼性の高いコアテクノロジーを活用するとともに、サイバーセキュリティ技術や量子暗号といった最先端技術に対しても、たゆまぬ開発投資を行ってきたことを示す。
2つめの「技術を正しいことに使う姿勢」では、技術への漠然とした不安を取り除き、その価値を社会から受け入れられるようにするために、それを使う人、企業への信頼が必要不可欠であるとする。また、NECでは、技術利用についてのポリシーを定めて、自社の技術が公正に利用されることを世に示し、社会からの信頼を獲得し、その信頼とともに、技術の社会実装を進めて、体験価値に転換させていくとした。
そして、3点目の「ミッションクリティカルを支える力」では、NECが120年以上の歴史のなかで、時代ごとのミッションクリティカルシステムを支えてきた経験を活かし、ここで培った技術者の層の厚みや、システム構築および運用への強みを、変化する社会のなかでも変わらずに提供し、顧客の事業と社会を支えていくこと姿勢を強調している。
5つの未来像
「Truly Open, Truly Trusted」は、NECが取り組むソートリーダーシップの活動ともリンクする。ソートリーダーシップとは社会課題の解決などにいち早く取り組むリーダーとなる存在であり、NECでは、その姿勢を明確に示した取り組みを開始している。
具体的には、Environment、City、Communication、Business、Lifeの5つのテーマで技術や製品などを社会実装していくために、ソートリーダーシップ活動をスタート。さらに、2022年4月からは、専任組織であるソートリーダーシップ部を設置。NECグループのシンクタンクである国際社会経済研究所にも、「未来の共感」創りを目的とした社会への提言機能を持つソートリーダーシップ推進部を設置した。
NECが、ソートリーダーシップに力を注ぎ、未来の姿を描き、共感を得ることは、NECの技術や製品、サービスを、世界で広く活用してもらうという意味でも、回り道の取り組みではなく、むしろ、最初に取り組むべき大切な要素であるとの考え方がベースにある。
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