グローバルリスクマネージメント
一方、小島社長兼CEOは、「2021中期経営計画の反省のひとつに、リスクに対するマネジメントが弱かった点があげられる」と振り返り、「コロナ禍やウクライナ情勢といったように、想定外のことが必ず起きることを前提に考え、リスクに耐えられる体質にならないと、計画は達成できない」と発言。2024中期経営計画では、サプライチェーンの混乱や地政学的リスク、環境、テクノロジー、パンデミック、大規模自然災害などに対するグローバルリスクマネジメントを強化。本社への情報集約の徹底とともに、経営トップによるリスクマネジメント専門会議を新設して、強靭な経営体質の実現を目指す。
小島社長兼CEOは、かつての取材のなかで、これまでの構造改革を「基礎工事」が完了した状態と表現。そして、「その上に建てたいのは揺るぎない建物」と述べていた。経営におけるリスク耐性には、強い意思を持って取り組む姿勢をみせている。
成長へのモードシフトに注目が集まる2024中期経営計画だが、攻めるだけの中期経営計画ではなく、守りにもしっかりと力を注ぐ中期経営計画になっている。
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