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業務を変えるkintoneユーザー事例 第112回

研究者ならではのユニークな切り口と表現でkintoneを語る

超絶WETな業務をDRYに変えたOIST 内製の強みとkintoneを選ぶ理由とは?

2021年07月19日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 kintoneのユーザーが事例を語る「kintone hive fukuoka」の2番手としてリモート登壇した沖縄科学技術大学院大学の浜手 雄一郎氏。研究者でありながら、事務職としてkintoneアプリの開発に携わるというユニークな立場から、レガシー業務の課題、kintoneを選ぶ理由、内製化のメリットなどを披露した。

沖縄科学技術大学院大学 浜手 雄一郎氏

DRYとWET

 登壇した浜手 雄一郎氏は、沖縄科学技術大学院大学(OIST)に所属しており、kintoneを扱っていた当時は財務ディビジョン調達セクションの事務職だった。博士(工学)、ポスドク、教員、事務職を経て、今は技術員となっており、浜手氏は、「大学で考えられる職種は全部やっているのではないか」と語る。

 そんな浜手氏が所属するOISTこと沖縄科学技術大学院大学は、2011年11月に開学して、今年で10年目を迎える。沖縄振興予算で運営されているため管轄は文科省ではなく内閣府。外国人比率が高く教員の63%、学生の83%が外国人だが、ほぼ国費で運営されていることもあり、会計検査院の実地検査が年2回もあるお役所的な部分もある。事務職員としては、「超日本的なルールと外国人の教員・スタッフの間に挟まれ、すりあわせる仕事が多い」(浜手氏)という。

 このうち浜手氏が所属していた調達セクションでは、教員やスタッフからのリクエストを元に入札を行ない、ベンダーに発注。その後、契約手続きを経て、納品されたものを検収していくという流れになる。20名程度のメンバーで業務を行なっている。

 さて、今回の講演のテーマは「DRY」と「WET」。DRYはDon't Repeat Yourselfの略で、繰り返し同じコードを書かないという「達人プログラマー」という書籍からの教えで、反対語はWET(Write Everything Twice)になる。しかし、日々やっていた調達業務は超絶WET。基幹システムからのデータをExcelの一覧表にコピペ、さまざまな書類作成でテンプレートにコピペ、発注メールにコピペ。「Ctrl+CとCtrl+Vだけで業務やっているのではないか。入った当日から発狂するかと思った(笑)」というのが浜手氏の感想だった。

超絶WETだった従来の業務

 さらに基幹システムからCSVを出力し、Access DBにインポートして、それを手作業で修正して、契約一覧として出力する業務が月に1回発生していた。しかも、日々の業務と月1の業務は完全に分断しているため、月1の業務に関わらないメンバーはAccess DBの存在すら知らない状態。「Access DB自体がUSBメモリに入っているので、新人は過去の契約を見られないし、検索すらできない。アクセスされないかわいそうなAccess」(浜手氏)という状態だった。

 この超絶WETな状態に疑問を感じた浜手氏だが、部内のメンバーはすでに慣れているため、この作業が当たり前のことになっていたという。当然、なにかを改善すべきという発想にならないし、そもそも改善するためのツールを知らないし、時間がないという状態に陥る。「大事なのは、今やっているこの作業はそもそもなんのためにやっているのかを考えること。あと、ある程度のツールの知識がないと、いざというときに使おうという気にならない」(浜手氏)とのことで、ITに詳しくない現場のメンバーでも知識は必要だと指摘した。

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