このページの本文へ

業界人の《ことば》から 第350回

日本IBM7年ぶりの日本人社長就任は何を意味するのか

2019年07月04日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

SE出身の社長は20年ぶり

 もうひとつ注目しておきたいのは、山口社長がエンジニア出身であるという点だ。SE出身の日本人社長という意味では、北城恪太郎氏以来、20年ぶりとなる。

 山口社長は、1987年3月に大阪工業大学工学部卒業後、同年4月に日本IBMに入社。技術統括本部ソフトウェア技術本部 第三技術所に、金融機関担当エンジニアとして配属された。

 「20代は、MVSやDB2など、OSとミドルウェアの問題を解析したり、新たな機能を開発したりといった仕事に就いた。システムの中身ばかり見ていた」という。

 現在、セールスフォース・ドットコムの会長兼社長を務める小出伸一氏は、日本IBM出身で、一時は、山口氏の上司だったこともある。

 「いまから30年前には、私がメインフレームの提案書を書いている横で、山口さんはダンプリストを解析していた」と、小出会長兼社長は当時の状況を振り返る。

 山口社長は「3+1」と呼ぶ方針を打ち出しており、「デジタル変革の推進」「先進テクノロジーによる新規ビジネスの共創」「IT、AI人財の育成」、そして「信頼性と透明性の確保」をあげる。

 ここにもエンジニア出身らしい考え方が映し出されている。

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ