業務を変えるkintoneユーザー事例 第20回
kintone hive sendaiレポート 後編
人口5000人の村で燃料屋が始めたリフォーム事業をkintoneが支える
2018年04月09日 09時00分更新
2018年3月15日、仙台で初となるkintoneのユーザーイベント「kintone hive」が開催された。前編では、基調講演と2社の事例発表の様子を紹介。この後編では、東北でコピー機を扱っていた企業が劇的に業務効率を改善したり、福島県で2番目に小さい村でガソリンスタンドを経営している企業が新事業を軌道に乗せたストーリーをご紹介しよう。
疲弊するデータ集計業務をkintoneにまかせて業務効率を大幅改善!
kintone hive sendaiの事例発表3番手は、東北コピー販売 代表取締役社長の高橋剛氏。東北コピー販売は福島県福島市に本社を構え、39期目に入っている老舗企業で、画像機器の販売とサポートを行なっている。
「少し前までコピー機はオフィスの主役で必要不可欠なものでしたが、ここ20年のインターネットやITの発展により脇役になってしまいました。私たちが扱う製品も、コピー機以外にPCやサーバー、ソフトウェア、クラウドと増えています。当然、管理する情報も増え、今までと違う取り組みをしなければ生き残れない時代に差し掛かっています」(高橋氏)
営業では、商品の導入年月日やリース料金、契約確度、保守料金、年間取引額、納品後のフォローといった情報が必要になる。しかし、同社ではこれらの情報を瞬時に引き出す方法がなかったという。
「紙で残っているもの、誰かがエクセルで打ったもの、誰かの頭の中だけにあるものと情報が分散していたのです。しかし、それらをまとめようなどとは考えたこともありませんでした。お客様から「うちのコピー機いつ入ったんだっけ」と聞かれても、返答に2~3日要するようになり、課題が見えてきました」(高橋氏)
販売会議で戦略方針を決めたら、営業の担当はアタックするリストを作る必要がある。しかし、情報が分散しているのでまとまらず、リストを作るだけで疲れてしまい、モチベーションが低下してしまったそう。
「今までは、お客様に向かうまでに一生懸命インプットをしてきましたが、これを逆転する必要があると考えるようになりました。少ない時間と労力で、お客様に大きなメリットを提案し、最大限の対価をいただける働き方に変えていかなければならないと思いました。そこで導入したのがkintoneです」(高橋氏)
まずは会社の状況を把握できるようにした。今までは会社がどういう状況なのかがわからなかったが、kintoneのトップページで情報を共有するようにしたのだ。現在は、40~50個のアプリを作成しているとのこと。中でも営業で活用しているのは、「クルクル回るアプリ」という。
「中心にある「お客様管理」アプリから、「機器情報」「売上集計表」「見込管理表」「決定報告書」といったアプリと、関連レコードやルックアップですべて紐付けています。このおかげで、営業がお客様の視点、お客様に入っている機械の視点、保守の視点、売上の視点で考えられるようになりました。kintoneにデータが溜まりはじめ、分析し、活用することで営業の成績が上がってきています」(高橋氏)
「お客様管理」アプリでは、お客様の基本情報や動いている案件、入っている機械、1年間の売上情報などが出るようになっている。ここから気になる情報があれば、「機器情報」アプリなどに飛ぶように作っている。「機器情報」アプリでは、導入時期が一目でわかるように色づけをして、いつ、いくらで売ったのかがわかる。顧客から質問が来ても、すぐに答えられるようになったのだ。
「『見込み管理表』はお客様に新しい提案をするときに使うアプリです。「お客様管理」とルックアップで連動し、商談の決定日を登録しておき、期日を過ぎると営業にリマインダーを上げて、ケツを叩くようにしています。決定したときは、赤く『祝』と表示するなど、楽しさを忘れないようにしています」(高橋氏)
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