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業界人の《ことば》から 第226回

オフィスで再生紙作れる「PaperLab」は紙文化を変えられるか

2016年12月20日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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環境負荷の低減に製品でアプローチ

 「独自のマイクロピエゾ技術を採用したエプソンのインクジェットプリンターは、印字プロセスに熱を使わないため、ページプリンターに比べて圧倒的に消費電力が少なく、オフィスのランニングコストを抑制できる。また大容量インクタンク搭載プリンターを活用すれば、インクカートリッジ49個分が必要だった6000枚の印刷を、わずか4本のインクボトルでまかなえる。インク交換の回数を少なくすることは業務効率の向上にもつながる」とする。

 一般的なページプリンターが5.2kWhの消費電力であるのに対して、エプソンのインクジェットプリンターは0.6kWhと、約88%も低減。ページプリンターでは7万5000枚の印刷のために、52個のトナーカートリッジが必要であったものが、エプソンのインクジェットプリンターでは4本のインクパックだけで済む。

環境負荷の低減もアピール

エプソンのオフィス向けインクジェットプリンター「PX-S840X」

 「エプソン製品を使ってもらうことで、環境負荷を低減しながら経済発展を遂げられ、顧客と社会が持続的な成長を続けられる世の中を実現することができる」と語る。

 PaperLab A-8000はエプソンが提案する価値に賛同し、導入を検討しているペーパーラボプレミアムパートナー向けに、2016年12月から順次設置を開始し、それ以外の顧客に対しては2017年秋から販売を開始。受注生産とし、正式発注から約3ヵ月で納品する予定だ。

 ペーパーラボプレミアムパートナーには長野県塩尻市役所、カネカ、住友理工、世田谷サービス公社、トランスコスモス、八十二銀行、東京センチュリーが参加し、導入を計画しているほか、諏訪市役所、北九州市役所、東京海上日動、みずほ銀行などが同パートナーとして導入を検討している。PaperLab A-8000の活用をもとに、実使用データやアイデアを提供。今後、商品価値の向上へと反映させる。

 「オフィスで使い終わったコピー用紙を、将来を担う子供たちの折り紙やノートブックに変える。PaperLabのユーザーが持つ願いや創造力により、紙による豊かなコミュニケーションを生み出し、世の中をよりよいものに変えていくことが可能である」と碓井社長。

 紙の使用を削減することが必ずしも最適解ではないとするエプソンは、紙の文化と真剣に向き合い、環境負荷の低減に取り組んでいる。

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