今回のことば
「Windows Server 2003を継続的に利用するとした企業が36.3%。大塚商会社内でも、まだ一部で使用している」(大塚商会・大塚裕司社長)
大塚商会が発表した2015年度上期業績は、売上高は前年同期比4.4%減の3179億円、営業利益は同4.6%減の231億円、経常利益は同4.4%減の236億円、当期純利益は同2.4%減の146億円と減収減益になった。
だが、この数字を細かくみると、単に減収減益の決算と捉えることは出来ない。第2四半期(2015年4~6月)の回復ぶりは驚くものとなっているからだ。
同社の発表によると、第2四半期の業績は、売上高が1.9%増の1585億円、営業利益は14.8%増の139億円、経常利益は15.1%増の141億円、当期純利益は19.0%増の89億円となり、大塚商会・大塚裕司社長は、「第2四半期としては、過去最高の業績となった。営業利益、経常利益、純利益はいずれも2桁増になった」と、第2四半期の回復ぶりを強調してみせた。
2014年度は、Windows XPのサポート終了に伴う買い換え需要の反動で大きな落ち込みを見せたが、買い換えが遅れた企業の需要を一部取り込んでいた2014年度第2四半期との比較で、それを大きく上回る実績を達成。今後、分母が小さくなる前年度下期との比較となるだけに、大塚社長も、今後の回復にはさらに強気な姿勢をみせる。
復調傾向にあるパソコン市場
「昨年度は下期から市況が悪化したが、今年度は、マイナンバー制度の動きもあり、さらに上向く可能性もある。公表予算にさらに上乗せし、強い大塚商会として通期決算を締めたい」と、強気の宣言を行ってみせた。
また、PCの販売については、「4月は前年比43%減、5月は33%減であったが、6月は11%減に留まり、7月は速報値でプラスになっている。また、タブレットも伸張している。タブレットは上期で前年同期比2.8倍、第2四半期だけでは2.6倍となっている。クライアントという点では回復している。Windows 10もこれから本格的に伸びていくだろう」とした。
さらに、年商100億円以下の企業において、1口座あたりの売上高が上昇していることも追い風になると判断。通期では、売上高が前年比2.0%増の6180億円、営業利益は同1.4%増の376億円、経常利益は同0.4%増の383億円、当期純利益は同0.6%増の236億円とし、増収増益を目指す。
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