ERPやCRM、HCMなどのオンプレミス顧客にSaaS移行プログラムを提供開始
オラクル、新プログラム開始で既存顧客のクラウド移行を促進へ
2015年03月03日 20時40分更新
日本オラクルは3月3日、同社オンプレミスアプリケーション(ERPやCRM、HCMなど)の既存顧客を対象とした、SaaSへの移行促進プログラムの提供を開始した。同日の説明会では、顧客のSaaS移行を積極的に支援、促進する同社の姿勢が強調された。
オンプレミスのサポート費用をクラウド移行に充当するプログラム
今回提供を開始した「Oracle Customer 2 Cloud」は、オラクルのオンプレミスアプリケーションを導入済みで、保守契約を締結している顧客に対し、オラクルが提供するクラウドアプリケーション(SaaS)への迅速な移行や、オンプレミス/クラウドの統合を支援するプログラムだ。
具体的には、「Oracle E-Business Suite」や「PeopleSoft」「Siebel CRM」「JD Edwards」「Oracle Hyperion」の既存顧客を対象に、現在支払っているサポート費用の一部をクラウド利用に充当し、同じ製品領域のSaaSへの移行を進めることができる。実際には、顧客の戦略に応じてかなり柔軟な対応が受けられるようだ。
「現在ある資産を活用して、リスクを抑えつつクイックにSaaS移行していただく。また期間内であれば、オンプレミスに戻るパスも残す」(野田氏)
さらに、オンプレミスアプリケーションを引き続き使いながら、SaaSで提供されている新たな機能も使う、ハイブリッド型の利用もできるという。
「たとえばPeopleSoftのコア人事(アプリケーション)を使っているが、SaaSのタレントマネジメント機能を使ってみたい、といったことも可能。同じ製品群の範囲内ならば、ある程度の幅をもってSaaSを選択できる」(野田氏)
さらに、オラクルが培ってきた導入実績やノウハウを集約し、事前定義された業務フローや設定テンプレートを活用した「短期導入サービス」も提供される。
オンプレミスからのクラウド移行を「推し進める」姿勢を強調
日本オラクル 執行役員の多田氏は、記者からの「オラクルとして、オンプレミスのクラウド移行を推し進めるのか、推し進めないのか」という質問に対し、「原則的なスタンスとしては『推し進める』」と答えた。
「今回の移行プログラムは、クラウド移行の『支援』でなく『促進』のため、と捉えていただいて構わない。移行目標数などは公表しないが、1社でも多くの顧客に(SaaSへ)移行していただきたいと考えている」(多田氏)
もっとも、オラクルとしてこれからもオンプレミス製品への投資、開発、サポートを続けていく姿勢は変わらないことも強調し、オンプレミス導入を求める顧客に対して「いつでもSaaSに移行できますよ、というオプションを提供すること」が重要だという認識を示した。