日本オラクルは7月1日、6月から始まった同社の2015年度における戦略説明会を開催した。代表執行役社長兼CEOの杉原博茂氏は、就任時にも述べた「2020年までに“No.1 Cloud Company”になる」というビジョンに基づく今年度の戦略を語った。
「最初の3年で足固め、次の3年でジャンプ」
杉原氏は今年4月の就任会見(関連記事)において、日本オラクルのさらなる成長に向けて2020年までに“No.1 Cloud Company”の座に押し上げ、「『クラウドと言えばオラクル』という存在になりたい」とビジョンを語っていた。このビジョンについては、ラリー・エリソンCEOなど米オラクルの経営陣も同意し、全面的なサポートを約束しているという。
「まず最初の3年で足固め、次の3年でジャンプする」と、日本オラクルにおけるクラウドビジネス拡大のロードマップを語る杉原氏は、プライベートクラウドとパブリッククラウド、両者を融合するハイブリッドクラウド、あるいは業界横断型のコミュニティクラウド、SaaS/PaaS/IaaSなど、あらゆる選択肢を網羅的に提供していくと説明する。
さらに、日本市場ではまだ根付いていない業界特化型のクラウドについても、グローバル市場で得た製品やサービス、知見を展開していきたいと述べた。
また杉原氏は、クラウドビジネス拡大という大目標のほかにも、「直販営業力の強化」「アライアンスを含むGo-To-Market戦略の展開」「グローバル組織との連携」という3つを挙げた。その実行のため、新年度にあたって組織をフラット化するとともに、上記戦略に合わせた組織変更を行っている。
「クラウドに関しては、これまで散発的な発表はあったものの、米本社としても首尾一貫した姿勢は取れていなかった。短期的な目先の目標ではなく、オラクルが考えるクラウドとは何か、しっかりと考え基盤を構築することも含めてやっていく。(Oracle DB 12cの)マルチテナントDBなど、多様な技術や環境もそろってきた。米経営陣にもNo.1になる覚悟を伝えてきた。グローバルで頑張っていく」(杉原氏)