今回のことば
「2014年に行われた4大国内IT投資案件のすべてに、オープンソースが中核技術として採用されている」
(レッドハット・廣川裕司社長)
過去最高の株価、そして5つの事業体制を強化
世界最大のオープンソースカンパニーと位置づけられるレッドハットの日本法人の廣川裕司社長は、2014年の同社の取り組みを「いい1年だった」と振り返る。
米レッドハットは、2014年11月には過去最高の株価をつけ、時価総額は110億ドルに到達。2014年には、CephストレージのInktank、OpenStack関連サービスのeNovance、モバイルアプリのFeedHenryの3社を買収し、2006年に開始したミドルウェア事業、2008年の仮想化事業、2010年のクラウド事業、2011年のストレージ事業に、OSを加えた5つの事業体制をさらに強固なものとした。
また、12月18日に発表した第3四半期決算では、51四半期連続での増収を発表。「実に12年以上に渡り、増収を続けている。50四半期連続で増収を達成しているのはIT業界ではほかにない。これは、オープンソースの広がりとともに成長してきたものである」と胸を張る。
そして、今年15年目を迎えた日本法人においても、売上高は7年間連続で2桁成長を遂げているという。
「過去7年間での成長は40%以上。そして、Linuxだけではなく、BRMSではトップシェアになり、JBossではここ9カ月で50%以上の伸びがある。この勢いは今後も加速していくだろう」としながら、「GDPの成長、IT業界の成長、OSの成長がいずれも数%というなかで、ここまで成長しているのは、レッドハットの提案が日本で受け入れられていることの証である」と廣川社長は語る。
「2013年9月には、46社のパートナーとともに、メインフレームとUNIXをマイグレーションするためのオープンソースインテグレーションセンターを立ち上げた。また、今年12月10日には、Windowsに対して、オープンソースを活用してクラウド化するWindows to Cloudのマイグレーションサービスを開始した。2014年は、データセンターの刷新、100%クラウドレディなソリューションの提供、ビッグデータの蓄積と活用という3つの事業戦略を推進してきたが、数々の導入実績があがっている」とする。
この連載の記事
-
第591回
ビジネス
シャープが堺のディスプレーパネル生産を停止、2期連続の赤字受け -
第590回
ビジネス
生成AIに3000億円投資の日立、成長機会なのか? -
第589回
ビジネス
三菱電機が標ぼうする「サステナビリティ経営」、トレードオフからトレードオンへ -
第588回
ビジネス
富士通の子会社でDX専門のコンサルティングをするRidgelinez -
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ - この連載の一覧へ