セットトップボックスでカラオケを楽しむのも
中国の日常の風景に!?
続いて来場者の注目を浴び、なおかつ複数のメーカーがリリースしていたのが、ネットでカラオケが楽しめる機能も付いたセットトップボックスである。
中国では部屋の中でのカラオケ大会や、窓を開けっ放しにしての夫婦喧嘩などがよく聞こえ、周囲に音を漏らすことをためらわない人が多い。
筆者が訪問した現地の家々でも、マイクを繋いだDVDプレーヤーやビデオCDプレーヤーをよく見たし、また筆者自身が中国のプレーヤー購入時に、マイクをお土産でもらったことがある。それくらいニーズがあると思ってほしい。
さまざまなセットトップボックスが登場しているが
実際に販売されているものはごくわずか
展示会ではあまり注目を浴びていなかったが、健康器具と連携し、クラウドで管理する機能をつけたセットトップボックスも登場。また、ビデオチャット用としてウェブカムの接続を前提にしたセットトップボックスや、防犯カメラと提携したセットトップボックスがあった。
ただ、これだけさまざまな製品が出揃っていて、その一部はすでに発売済みとなっているが、市場ではほとんど売られていない。
あえて言えばデジタルチューナーよりセットトップボックスのほうが売れてはいるが、電脳街では売ってる店はごくわずかで、家電量販店でもごく一部のメーカーの製品だけが販売されている状況だ。
また、オンラインショッピングで売れるほど著名だったり、極端にコストパフォーマンスがよかったりして、脚光を浴びて売れる製品は限られている。
デジタルチューナーは性能的にも機能的にもパワーアップする一方、セットトップボックスでは、製品同士の淘汰の後に、生き残った製品がツウの間で定番になる、というのが今までの中国を見るに、今後起こりそうなストーリーだ。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)を執筆。最新著作は「日本人が知らない中国インターネット市場[2011.11-2012.10] 現地発ITジャーナリストが報告する5億人市場の真実」(インプレスR&D)。
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