5月7日、動画コンテンツベンダーの「楽視網」が「楽視TV・超級電視」(スーパーテレビ)というテレビを多くの中国メディア関係者を集めて披露した。
テレビ未参入だった同社がリリースした「スーパーテレビ」のラインアップは、わかりやすく約11万5000円(6999元)の60型のハイエンドモデルと、約3万3000円(1999元)の39型のエントリーモデルの2モデルのみ。来月にも出荷される。
ハイエンドモデルに関しては、米クアルコム製の1.7GHzクアッドコアCPU「Snapdragon」と、60型のシャープの「X-Gen LCD」パネルを採用し、フォックスコン(富士康)での組み立てを依頼したことで、「サムスンの“スマートTV”シリーズのフラグシップモデルである“F8000シリーズ”の2倍以上の性能と、7000元という他社では出せぬ比類なき低価格」を実現したという。
AndroidカスタムOSを搭載するインターネットテレビなので、iPhoneやAndroid搭載スマートフォン、タブレットと連携機能を持たせつつ、CNTV(国営中国ネットテレビ)と提携。さらに専用のアプリストアも用意するという。
振り返るに今年3月に同社は楽視TV・超級電視のディスプレーともいえる、セットトップボックスの「楽視盆子」をリリースした。その結果、それなりに手応えを掴んだのだろう。この巨大なカスタマイズAndroid OS搭載端末ともいえる楽視TV・超級電視をリリースしたわけだ。
つまり楽視TV・超級電視には、「Appleのように少ない機種数を市場投入」「入手できる限りのハイエンドなパーツをフォックスコンで組み立て」「激安価格」「カスタマイズOS搭載アプリ導入可」という特徴がある。
こうしたコンセプトは中国では実はあまり斬新ではない。過去にはスマートフォンにおいて「小米」(Xiaomi)「魅族」(Meizu)といったメーカーが、iPhoneのように1機種に絞ってハイパフォーマンス&低価格の製品をリリースしていた。
リリースする機種を1~2機種に絞り、大量に部品を受注しフォックスコンなどの企業に依頼することで、非常に安価でそこそこの品質の製品が作れるようになったわけだ。この辺は当連載の「デュアルコアで2万円切りが常識!? 中華スマホの新常識」という記事が参考になるかと思う。
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