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グラフィックベンチ「3DMark」徹底解剖 第2回

3DMarkの「Ice Storm」でAndroidスマホの性能を比較

2013年05月14日 12時00分更新

文● 加藤 勝明

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ベンチ結果を他の機種と
簡単に比較できる

 テストの内容はWindows版と同様だ。つまりGraphicsテストを2回、Physicsテストを1回実行し、それらのfpsを元にスコアが計算される。Andoroid版ではCPUやGPUの温度やfpsをグラフ化する機能がない代わりに、他のデバイスとの比較がWindows版よりも楽に実行できる。現在使っているデバイスよりも高スコアが出るデバイスに乗り換えたい、という場合にはぜひ活用したい。

テストが終了するとスコアが表示される。下の方にスクロールさせていけば、各テストで何fps出たか、といった詳しい結果が閲覧可能だ

画面上部の「MY DEVICE」をタップすると、今使っているデバイスでのテスト結果やスペック情報などがチェックできる

「DEVICE CHANNEL」は、ユーザが計測した結果を持ちよって比較するための機能だ。画面右上に「Defalut」「Extreme」とあるのは、それぞれ「Ice Storm」と同Extremeでのスコアで比較する、という意味

DEVICE CHANNELで気になるデバイスを見つけたら、そのデバイス名をタップしてみよう。そのデバイスの詳細なスペックや結果と、自分のデバイスを比較できる。ここは画面を横にした方がいろいろと見やすい

「Ice Storm」でわかること

 では各テストがどんな処理をしているのかを簡単にチェックしていこう。「Ice Storm」がターゲットにしているデバイスに搭載されているGPUは最新ビデオカードのGPUとは異なり、頂点とピクセル(テクスチャーなど)を扱うシェーダーが固定されているものもある(いわゆるバーテックスシェーダーとピクセルシェーダー)。そのため「Ice Storm」のGraphicsテストでは、これらの機能別シェーダーに集中してストレスをかけることで、搭載GPUの“弱点”を知ることができるようになっている。

 最初に実行される「Graphics test 1」では、頂点シェーダーの性能テストがメインだ。多数の戦闘機や戦艦をグリグリ回すことで、GPUは頂点情報の処理に翻弄されることになる。その分ピクセルシェーダーを使うような処理(パーティクルや照明効果など)は使われないか、最小限になるよう画面が設計されている。

Graphics test 1では複雑な形状を素早くグリグリ動かせるかどうかを見る。照明効果は平面的だが、戦艦の影が浮遊氷塊に落ちているなど影の描写はしっかりしている点に注目。ちなみにテスト中の画面はWindows版で撮影している

 2番目の「Graphics test 2」はピクセルシェーダーを苛めるためのテストだ。ここでは多量のテクスチャーが使われ、「Graphics test 1」よりも空気感のあるグラフィックになっている。さらにピクセル単位での照明効果の計算や、ブルーム(眩しさ)、モーションブラーなどがポストプロセス処理で追加されている。頂点情報は「Graphics test 1」が平均53万個なのに対し、こちらでは平均7万5000個と少ない。

「Graphics test 2」に登場する移動砲台の足元をよく見ると、影が一切描かれていないことがわかる。影を付けると頂点情報が増えてしまうためだ

 最後の「Physics test」はWindows版と同様に、CPUの1コアごとに1スレッドを割り当て、ブヨブヨとしたゼリー状の物体の動きと、その中に入っている剛体の動きをシミュレートする。

「Physics test」ではGPUの負荷を最小限にしつつ、ひたすらCPUで物理演算を行なう

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