最新GPUのグラフィック描画性能を評価するベンチマークソフト「3DMark」を知る、というコンセプトで始まった本連載も無事最終回を迎えた。第1回と第2回はPC版の解説をした。今回は3DMarkと以前の3DMarkシリーズにおける決定的な相違点……つまりタブレットやスマートフォンにおける性能評価について学んでみよう。
Windows PC以外でも動作する初の3DMark
Android 3.1以降のデバイスで動く
5月初頭の時点では、Windows以外のOSで3DMarkが動作するのはAndroid 3.1以降のデバイスのみ。現行バージョンにおける最小システム要件は以下の通りとなる。
システム要件 | |
---|---|
OS | Android 3.1以降 |
メモリー | システムメモリー1GB以上 |
グラフィック | OpenGL ES 2.0互換 |
ストレージ | 149MBの空き容量 |
ビデオカード(GPU)とCPUが別個のパーツで構成できるPCと違い、タブレットやスマートフォンではCPUコアとGPUコアは1チップ化された「SoC」という形で実装されている。そのためAndroid版3DMarkはWindows版のようにGPU性能を見る、というよりも“対象システムのパフォーマンスを見る”という性格が強くなっている。
Android版は「Google Play」で無償で入手できる。無償で全機能にアクセスできるが、Windows版にある「Cloud Gate」や「Fire Strike」の2つのテストは元から用意されていない。容量面もさることながら、現行のモバイルデバイスに組み込まれているGPU機能は、DirectX9やOpenGL ES2.0対応のものが大多数だからだ。今年登場した「Snapdragon 600/800」はOpenGL ES3.0認証を獲得しているため、将来のバージョンではもう少し高度なテストが追加される可能性はある。
実際にテストしてみよう!
Android版3DMarkでは「Ice Storm」および「Ice Storm Extreme」の2種類のテストしかない。前者は1280×720ドット、後者は画質を上げさらに1920×1080ドットで描画される大変負荷の高いテストだ。Windows版の「Fire Strike」と同Extremeの関係と同様、「Ice Storm Extreme」においても液晶解像度が1920×1080ドットに満たない場合でも、液晶の解像度に合わせてスケーリング表示される。
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