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来年サポートが切れるOffice 2003の次はこれ?

社内SNSとマルチデバイス対応がうれしい新Office 365

2013年02月28日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2月27日、日本マイクロソフトはOfficeアプリケーションやグループウェア、コラボレーション機能を統合した「新Office 365」を発表、同日よりスタートした。社内SNSのYammerの搭載やマルチデバイス対応を意識したライセンスなどを用意した。

サブスクリプション版のOffice 365 ProPlusが投入

 Office 365はビジネス向けのパブリッククラウドサービスで、月額課金版(サブスクリプション版)のOfficeクライアントに電子メール、ドキュメント管理、ファイル共有、オンライン会議などの機能を統合したクラウドサービス。「Microsoft Online Services」として提供していた「Microsoft Business Productivity Online Suite(以下、BPOS)」の後継にあたり、2011年6月からサービスをスタートしている。

 今回発表された新Office 365では、サブスクリプション版のOfficeアプリケーションとして、新たに「Office 365 ProPlus」が追加。Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook、Publisher、Access、Lync、InfoPathをクラウドからストリーミング配信して、インストールし、旧バージョンと共存させて利用できる。マルチデバイスを前提とし、1ユーザー5デバイスというユーザー単位のライセンスで提供される。

サブスクリプション版のOfficeアプリケーション「Office 365 ProPlus」

 主要プランとしては1~10名程度の小規模組織向けの「Office 365 Small Business Premium」、250名までの中規模組織向けの「Office 365 Midsize Business」、ユーザー数無制限の「Office 365 Enterprise」などが提供される。全プランで、前述したOffice 365 ProPlusが利用できるほか、Exchnage/SharePoint/Lyncのサービスが利用できる。価格はSmall Business Premiumが1ユーザー1030円/月、Midsize Businessが1ユーザー1230円/月、Enterpriseが1ユーザー1800円/月になる(すべて年間契約時の価格)。

Office 365の主要プラン

 また、今回の新Office 365の提供にともない、社内SNSであるYammer(ヤンマー)の利用権がOffice 365 EnterpriseとSharePoint Onlineプラン(単体)に付与される。また、ビジネス可視化ツール「Visio」とプロジェクト管理ツール「Project」がOffice 365ラインナップに追加される。Projectに関してはSharePointとともに統合されるProject Serverのクラウド版(Project Online)も提供される。

Twitterライクな社内SNSを活用できる。Officeファイルを直接プレビューできるのがならでは

 さらに、Office 365 Enterpriseのほか、PCを所有しないユーザーの簡易アクセスを想定したKioskプランの全スイートにOffice Web Appsの編集機能を提供する。Office Web AppsはWebブラウザ経由でOfficeドキュメントへのアクセスが可能な機能。

急成長を遂げる国内でのOffice 365

 記者発表会の冒頭で登壇した日本マイクロソフトの 代表執行役 社長の樋口泰行氏は、「365日、いつでも使えるオールインワンパッケージ。これさえあれば何でもできる、非常に強力なスイート製品」と説明。また、「震災以降、クラウドの導入が加速している。BPOSに比べて、Office 365は10倍の速度で伸びている」と好調ぶりをアピールした。

日本マイクロソフトの 代表執行役 社長の樋口泰行氏

 サービス概要について説明した日本マイクロソフト Office ビジネス本部 業務執行役員 本部長のロアン・カン氏は、タブレットPCの導入で場所に拘束されない働きを目指したJT(日本たばこ産業)や、ドキュメントの検索とSNSの活用で企画力を強化したカルチュア・コンビニエンス・クラブなどの早期検証をビデオで紹介。また、こうした大企業だけではなく、中小企業にOffice 365の導入が進んでいるとアピール。前年比約4倍増の成長を遂げ、従業員50名未満の中小企業が全体の約9割を占めていると説明した。

日本マイクロソフト Office ビジネス本部 業務執行役員 本部長 ロアン・カン氏

追加オーダー率は5割?ポスト2003の需要を狙う

 販売チャネルもますます拡大する。新Office 365の提供に際しては、従来の仕入れ販売モデルを活用した「Office 365 Open」を追加。シネックスインフォテック、ソフトバンクBB、ダイワボウ情報システム、ネットワールドなどマイクロソフト認定ディストリビューター4社がこのOffice 365 Openをベースに販売体制を整備する。2013年6月までに4000社のパートナーが本チャネルで販売可能になるという。

 また、デバイスや付加価値サービス、ネットワーク、導入サポートなどを組み合わせた「ワンストップクラウドサービスパートナー」を創設し、NTTコミュニケーションズ、大塚商会、ソフトバンクBB、リコージャパンがワンストップサービスを展開する。

 パートナーを代表してコメントした大塚商会 取締役兼専務執行役員の片倉一幸氏は、「既存のお客様の約半分は追加オーダーしてもらい、導入によって業務効率がアップするとおっしゃっていただいている。来年の春には終息するので、Windows XP/Office 2003のサポートが乗り換え需要に応えていきたい」と抱負を述べた。

発表会会場ではLyncを活用することで全国のパートナーも参加。登壇したパートナーたちと気勢を上げた

 新Office 365はすでにスタートしており、無償トライアルも提供される。

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